ソラカラノ救済
@zakiso
第1話
全ての物語に終わりがある。あの漫画、あのラノベ、あのアニメにも必ずある。終わって欲しくない。こんな終わり方は認めたくない。途中で打ち切りなんて許せない。それでも必ず終わりがくる。そしていつか誰もが忘れてしまう。
「あなたにとって大事な物語は何ですか?消えて欲しくない物語はありますか?」
「あの世界を、日常を、時間を取り戻したいですか?」
いつもは何も言わないスマートフォンがやけにうるさい。それもそのはずだろう。2日も家に帰ってないのだから。両親からだろう。そうは思うのだが、もしかしたら…と考えて俺はスマホを取り出す。…1週間か…
「……けい…ちゃん」
「おばさん、あいつは!?」
その女性は力なく首を横に振る。目は赤く充血し泣き腫らしたあとがある。
「………あの子は…マキ…は…」
彼女は娘の名前を口にするがその後に言葉は続かない。先に続く言葉の意味を飲み込めていないのだろう。つまり、マキは…
「あいつは亡くなったんですか」
早口で言葉を繋ぐ。意味を理解しないように。そんなことに意味はない。それでも、どれだけ頭でそれがわかっていても、心がうけつけない。そして…
「当然、あいつからじゃないよな…」
スマートフォンに表示された文字を確認する。そこには
「あの世界を、日常を、時間を取り戻したいですか?」
という文字が。それを見て俺はなんとなくそのメッセージを開く。そしてメッセージに返信する。
「取り戻したい」
…何やってんだろ。こんな怪しいメッセージに返信して…そしてスマホをしまおうとする。するともう一度スマホがなる。まさかとは思うが、さっきのやつか?…詐欺とかだったらどうするかな。そう思って画面を見る。
「あなたにはこれからいくつもの物語を経験してもらいます。全てが終わったとき、あ 」
「あ」から先の文字が読めない。これは一体なんだろうか?そしてスマホの電源を落とそうとしたとき、周りの景色が一変した。
ソラカラノ救済 @zakiso
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