ルビの字数上限について深掘りしてみた

web上でルビを振ろうとすると、

 <ruby>親文字<rp>(<rt>ルビ<rp>)</ruby>

のように書かなければいけないところを

 |親文字《ルビ》

とするだけで気軽にルビが振れるようになった現在。


……ほんと、いい時代になりましたよね。


そんなルビにも、「文字数制限がある」のをご存知ですか?

といっても制限のない投稿サイトのほうが多いのですが、該当サイトと制限内容について知っておいて損はないと思います。


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▼ カクヨム、エブリスタ、NOVEL DAYS

親文字 20文字/ルビ 50文字まで

▼ノベルアップ+

親文字 50文字/ルビ 50文字まで

▼ ハーメルン

親文字 ――/ルビ 20文字まで

▼ 小説家になろう

親文字 10文字/ルビ 10文字まで

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一度に50文字は自動改行にも影響があるので振りすぎだと私は思うのですが、かといって10文字ではファンタジーの呪文詠唱などに心許ないかな。などと考えると、ルビは20文字まではほしい気がします。




ちなみに、この制限。

下記のように「親1文字に対してもルビ50文字まで振れる」ことになるのですが、使うメリットってあるのでしょうか?


ラだとかウだとかアだとかだけでひょうげんできるとてもみじかでてがるなげいじゅつがウタってものなのです


たった1文字を表すのに50音使う魔法があるだとか。

たった1文字の名を呼ぶのに50音の副音声が聞こえる気がするだとか。


いろんな理由を付けてみても、作中せいぜい1度か2度までしか使ってはいけないのかなと正直思います。多用すると飽きられるシャレのようなもので。




さて、ここで『Fate/ Grand Oder』の宝具名を引用してみましょう。


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1)我はすべて毒あるもの、害あるものを絶つナイチンゲール・ブレッジ  親19/ルビ12

2)約束された勝利の剣エクスカリバー  親9/ルビ7

3)疾風怒濤の不死戦車トロイアス・トラゴーイディア  親9/ルビ14

4)王の財宝ゲート・オブ・バビロン  親4/ルビ11

5)冥鏡宝典アンプゥ・ネブ・タ・ジェセル  親4/ルビ14

6)蘭陵王入陣曲いさましきはかめんのもの、おんようけんびのりょうおうなり  親6/ルビ28

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親文字とルビの割合からいくと、

 1と2はルビが読みやすくて。

 3~5のルビは、窮屈きゅうくつだけどまぁ読めて。

肝心の6は、ルビでなく親文字にだけ目が行きませんでしたか?


『葬送のフリーレン』の「人を殺す魔法ゾルトラーク」(親文字字数=ルビ字数)が、字面のわりに可愛く見えてくるレベルですね。


このように、親文字とルビの割合が「ルビをルビとして読める限界」を越えると、親文字だけを読む「親文字とルビの逆転現象」が起きます。そのため、初めに言ったとおり『ルビは20文字まで』を意識して使うのがいいと、私は考えます。




カクヨムの場合は、ルビと親文字がそれぞれ「均等きんとう割付わりつけ」というものをされているので違和感がそれほどないですが、左寄せ(上寄せ)になっている場合は、


 王の財宝!ゲート・オブ・バビロン

 王の財宝ゲート・オブ・バ ビロン


――のように

「どこまでが親文字か分からない」

「はみ出たルビ分の空白が親文字部分に入る」、

そんな投稿サイトもあると思います。


…ちょっと、うまく再現できていませんが伝わりますように。

親文字を空白だけにすると、ルビ位置がズレちゃうんですねぇ。


ルビは基本的に親文字の半分サイズ、つまり親文字1文字につきルビ2文字分が頭上に乗るので、『王の財宝 _ゲート・オブ・バビロン』のように「ルビ字数=(親文字n字+2字)×2」に収まるくらいが、見た目のバランスにおける許容範囲なのではないかなと仮説を立てます。




――余談ですけれど。

親文字の末に入れた空白は無視されるのですね。発見。

頭や間に入れた空白は有効でした。


 |親文字 《るびるびらばらば》 → 親文字 るびるびらばらば

 | 親文字《るびるびらばらば》 →  親文字るびるびらばらば

 |親 文 字《るびるびらばらば》 → 親 文 字るびるびらばらば




ところで。

今回の注目点は「ルビの字数制限」です。


じゃあ10文字しか一度にルビを振れない〈小説家になろう〉ではどうしたらいいのかといえば、それは当然【10文字以内になるようルビをどこかで区切る】しかありません。


引用例では、2以外10文字を越えていますね。

なので、1と6を例に、次のように区切ってみました。


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1)我はすべて毒あるものナイチンゲー、害あるものを絶つル・ブレッジ

|我はすべて毒あるもの《ナイチンゲー》|、害あるものを絶つ《ル・ブレッジ》

親10・9/ルビ6・6


6)蘭陵いさましきはかめんの王入もの、おんようけん陣曲びのりょうおうなり

|蘭陵《いさましきはかめんの》|王入《もの、おんようけん》|陣曲《びのりょうおうなり》

親2・2・2/ルビ10・9・9

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意味で区切ろうとせず、なるべく均等きんとうになるよう区切るのが、ルビを変に間延びさせないコツなのかなと。




――私事わたくしごとですが。


『ルビに泣かされない変換器』という創作支援ツールをJavaScriptで作ってまして、そこに「ルビの字数チェックツール(10文字を越えていたら色でお知らせ)」を追加したとしたら便利なのかしらと、今回のレポートをまとめていて思いました。


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