〔短編集〕インプロ!~遅筆家が即興創作はじめました
あずま八重
月1即興創作の会
◆ 2019年11月29日(突発チャレンジ)
眠りの箱庭(段ボール、吊るす、金属の箱、雑草、海)
段ボールを破り、ときに引き千切っては小さくぐしゃぐしゃにしていく。そうしてできたクズ山の半分を青、半分の半分を緑、半分の半分の半分を黄、そのさらに半分を白にそれぞれ色付けする。
乾かしている間に、残りの1/16にガムテープを裏返しに巻きつけた。紐をぐるりと一周させてから、乾いた白クズをひと摘みと黄クズひと掴みを混ぜた上を転がす。くっつくだけくっついたら、用意しておいた金属の箱のフタに先に吊るしておく。
青・黄・緑のクズは、水・砂・草に見立てて箱の底に敷き詰める。取りこぼしていた茶クズを見つけて緑の上に撒いたら、どことなく雑草感が出て頷いた。
白はひと摘みを貝として砂地に、あとは飛沫に見えるよう青と黄の境目をメインに撒いて海らしさを追求する。そうして作った箱庭に、黒い羊を数体置いてフタを閉じた。
小さく、オルゴールを鳴らす。月夜の浜辺で波の音に混じるキレイな歌を聴きながら、穏やかな夢が見れるように祈って。
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【 眠りの箱庭 】 2019.11.29 作
黒井羊太さんからのお題
「段ボール、吊るす、金属の箱、雑草、海」にて創作
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* 黒井さんの短編小説『自鳴琴』が好きなのでその要素も混ぜました。『役立たずの灯台』とか『体外臓器』とか、他にもおもしろいお話を書いてらっしゃるのでぜひにーぃ!(2020.04.25)
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