休日
エアコン eakon
第1話
さてさて僭越ながら俺の日常を紹介したいと思う。今日は4時に起きたのだ、昼の。というか夕方かな?いやいや、今は日が昇ってるから昼に違いない。夜に起きる人もいると思うしむしろ勤勉まであるね! ないか.....。そんな陰鬱な気分は一面の晴れ模様が吹き飛ばす。起きてまずシャワーを浴びる。昨日の夜は彼女が寝かせてくれなかったんだよね、ゲームの。ハハッ人気者は辛いね、え? 現実見ろって現実見たら死んじゃうじゃん..... むしろ生きてるだけで致命傷だから実質ノーダメ 無傷まである! これはあるね! そんな独り言を心中で呟きつつシャワーを浴び終わり自室に戻る。風呂上がりだしアイスでも食べようかな。やっぱスーパーカップバニラ味なんだよなぁ。これが実家の味かぁ、実家にいるしとしみじみ夢心地。明治さん一生付いていきます! 今令和だけど。髪にドライヤーをあてふと一息を入れる。何をしようかと考えていると我が家の愛犬が入室。犬を丸めたテスト用紙の如くしゃくしゃに撫で回る。この前のテスト結果悪かったんだよなぁ.....現実見るだけで死ぬわ、やはり俺を救ってくれるのは2次元か。確信したね! 閑話休題
しばし時間は経過し静寂満ちる空間に足音が近付きインターホンの音が静寂を吹き抜ける。誰か帰ってきたかなと思いつつモニターを見ると宅配のお兄さんが挨拶と共に会釈。何を頼んだか記憶にないが荷物を受け取り品名には《PC部品》の文字が自己主張強く書かれていた。興味が唆られる。カッターはどこに仕舞われているだろうか。流石にビニールテープを手でちぎるほどの腕力の持ち合わせはない。見つけたのはカッターではなくハサミ。カッターがなかったし代用品としては及第点以上の評価は付けられる。開封して中身は....美少女ゲーム、パッケージ横にはR18の文字が。違法ダウンロードダメゼッタイ! これ以上業界が衰退したら俺泣いちゃう。ふぅと大きな溜息とともに吹き出る冷や汗。家族に見つからなくて良かった。見つかったらただでさえ人権がないのに次は無くなるのかしら、居場所?感情かな? 菩薩にでもなるか。進路調査票の第一希望が決まったところで誰に見られる訳でもないが隠すように部屋に戻る。ベッドの下? 定番すぎるか。布団の中? その場所は俺の聖域、貴様の場所はない.....。 無難に押し入れの奥かな、決まったわ。はあ疲れた。目の前に布団あるし寝るわ。俺は悪くない、布団が俺を使って寝ろって囁いてくるから布団が悪い、小悪魔みたい。そうやって都合よく誰にでも体を許すんでしょ! 俺は許すよ。おやすみの一言が平穏支配する自室に響く。これ起きたら後悔して死にたくなるんだろうなぁ.....
休日 エアコン eakon @eakon0302
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます