156話 ラーメン大好きサクラさん
三週間ぶりの現世です。
神からお墨付きをもらったサクラは 意気揚々とランチを物色する。
前回は 正月前に特別に寿司を食べた。
今日は 新年おめでとう!頑張った自分おめでとう!で、何を食べようか……
白いご飯に こってり牛丼チェーン店 いいね!
白い小麦粉たっぷり粉もの お好み焼き そそるね!
ランチは軽めでデザートにケーキにしてもいいな……
二週間に一度の悩みどころ
でも、やっぱりこれでしょ!
サクラが選んだのは……
『ラーメン』
異世界では食べられないシリーズ第二弾!!
醤油、味噌、塩、鳥ダシ、牛骨、煮干ダシ……
バリエーションが多過ぎて悩むなぁ、、
家系ラーメン、次郎系ラーメン、油そばも捨てがたい……
数あるなかでサクラが選んだのは
『とんこつラーメン』
やっぱり大好きこってりとんこつラーメン!
サクラは店を決めて席に着く。
あぁ……ラーメン屋に入っちゃったよ……
ラーメンの匂い……うふ。
今まではラーメン屋さんに入ると がっつりセットを頼んでいた。
『ラーメン半チャーハン餃子セット』である。
へたすると これにおつまみからあげとかも追加しちゃう?になっていた。
いかん、いくらなんでもそれはいかん。
少しの罪悪感と大きな期待を胸に サクラはメニューを開く。
メニュー、楽しいよね!見るの。
見てるだけでワクワクする。
「ん~……」
ここはベースのラーメンにトッピングを選ぶタイプの店らしい。
チャーシュー、味玉、モヤシ、メンマ、揚げニンニク、海苔、コーン、アスパラ、明太子……
全部のせ……いいな、それ。
いやいや、よく考えろ
よくメニューをみると、後ろに別メニュー。
担々麺、辛ネギとんこつ、角煮とんこつ……すごいな、ん?
『とんこつ野菜タンメン』
ああ、イシルさんの声が聞こえる、これはいかがですか?と。
こじらせ恋愛末期だな。
「まずは野菜から、ですね
野菜タンメンにする。
スープをあっさり、並み、こってり、背脂まみれから選び、麺も細麺ストレートと中太ちぢれ麺から選ぶようだ。
美味しさに対して貪欲ですね!ありがとう!
麺のかたさも選べる。ヤワ、普通、カタメン。
サクラはこってり細麺の野菜タンメンを注文する。カタメンで!
ほんとはバリカタが好きなんだけど、ないからね。
卓上に 薬味のおろしニンニク、鷹の爪、ゴマ、塩、こしょう、辛味噌、ゆず胡椒の他に、無料トッピングの紅生姜、高菜を見つけた。
気が利いてるね!
「お待たせいたしました~」
出された野菜タンメンはがっつりキャベツと豚バラもやしの山!攻めてるね!
″ごくっ″
思わず唾を飲み込む。
ニンニクのいい香りが食欲を刺激する。
まずはスープから
「ふー、ずずっ……」
長時間煮込まれたであろう とろみのあるクリーミーなスープ。
豚の旨味とコクはしっかり出ているトンコツの臭みはなく、こってり舌にのこる脂のくどさがたまらない。
これですよ!
サクラは麺と野菜に箸をいれる。
「ふー、はふっ、ズズッ……」
麺をすする。口一杯に。
「んんっ///」
バリカタの麺は麺の粉臭さと歯応えをあたえ、歯切れがいい。
さっと炒められた野菜のしゃきしゃきとした口当たりにあっている。喉ごしも抜群。
とにかくシャキシャキに炒められた野菜の量が多いな!
これは……麺少なめでお願いするべきだったか!?
「はふ、ズズズッ……」
濃厚なトンコツとは裏腹に あっさり塩コショウて、ニンニクのきいた野菜はニラ、モヤシ、キャベツ、ニンジン。
うん、たべれちゃう。
胡椒好きだから追加でかけちゃう、粗挽き黒胡椒。
″シャッ、シャッ″
体があたたまり、汗が出る。
気にしてられるか!
「ズズッ……むぐっ」
久しぶりのラーメンに箸がとまらない。
とんこつに豚バラって、トントン拍子にたべれちゃう!?おっと、失礼。
ほんとはこの残ったスープに白飯を入れたい……行儀悪が。
「んぐっ、んぐっ、」
スープだって残さない。
この、最後の最後、一番下に残っている薬味たちと共に胃袋を締めるのです!
黒胡椒やゴマが、口の中でピリリと弾ける。
「ぷは///」
おいしかったー!!
そして思いい至る。
「あ、そう言えば卓上に紅生姜も高菜炒めもあったんだった……」
ゆっくり噛んで、あじわってたべましょう!も、どこへやら。
一目散すぎたわ。
いや、ラーメンでそれは無理。
のびる前に食べたい。
「次回、かな」
サクラはお土産に 持ち帰りでピリ辛高菜炒めを買った。
異世界に帰ったら、麦飯で高菜チャーハンにしよう。と。
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