101話 現世は年末でしたね
「順調に減ってますね~」
今日の神(医者)は 機嫌が良さげだ。
体重 78.7kg→78.2kg
二週間で500gマイナス。
リバウンドもなく順調です。
ひと月半トータルで1.8kg減った!
「体調の変化がなければ同じ薬をだしますが、どうですか?」
「大丈夫です」
「食事は慣れましたか?」
「麦は好きなので 大丈夫そうです」
「それは良かった。次は血液検査をします。お正月あけなので、三週間後にしましょう」
神(医者)よ、あなたが休みたいんだね。
そう、現世はクリスマスシーズン。
異世界にはクリスマスも正月もないようだが、クリスマスプレゼント 買おうかな……
「サクラさーん」
受付に呼ばれて会計を済ませる。
おっ!今日は女神様(神の奥さんで栄養士)降臨だ。
「がんばってますね」
「はい。ただ、間食がやめられなくて……おからクッキーとか、ナッツとか、お茶飲んだりして誤魔化してるんですけど、ツライです」
ちょっと弱音をはいてみる。
女の子(?)同士ですから。
いい歳ですが。
「ハイカカオのチョコとかも結構満足できるわよ。あと、この先のお豆腐屋さんに 手作りおからドーナツ売ってるのよ。見た目的にも食べてる感でるから、オススメよ」
いいこと聞いた。
お土産にみんなにも買って帰ろう。
「次回は検査ね。朝ごはん食べないで来てね」
また三週間後に予約を入れて 病院を出る。
街はイルミネーションに飾られ、昼間だというのに、この時期独特の世界観を醸し出していた。
夜はもっと 幻想的だろう。
いつもなら、この夢の国のように飾られた景色に浮き足立つのだが、それがかえって現実味を帯びて見えて 笑ってしまった。
だって、今まで もっと非現実的な場所にいたのだから。
異世界にいた自分は 無力な自分をさらけ出した子供のようだったな。と 思う。
ひとたび現代にもどると、そこには 大人の顔をしてつくろう自分がいる。
社会人として生きるためには必要なことだ。
異世界は年上ばっかだからな……1200歳とか、270歳とか、ありえん。
そんなの前にしたら 子供どころか赤子ですわ。
さて、クリスマスプレゼントは 何を買おうか……
まずはドラッグストアーをのぞく。
アイリーンに怒られたから、スキンケア商品をみてみる。
化粧水、乳液、保湿クリーム、パック、ファンデーション……
はっきり言いましょう、
メンドクサイ……
女子力 ゼロ なんですよ。
どれを買ったらいいかなんてワカラン……
現世では 最低限の化粧しかしてなかったからなぁ……
異世界はノーメクで楽なのに。
やっぱりコレでしょう。
忙しい(めんどくさがり)女子の味方!
『オールインワン』
すべてこれ一つでOK!
買うなら お店のイチオシかな。
売上、人気No.1「ハトムギジェル」
これ、よさげ。
なになに?
『化粧水・美容液・乳液・クリーム・パックの機能を持つので、スキンケアが簡単にできます』
おお!
『保湿成分ハトムギエキス配合。高浸透処方のジェルがお肌になじみ、みずみずしくしっとり、もちもちの素肌に導きます』
ふむふむ。
『すっとのびてベタつかない使い心地で、顔だけでなく全身の保湿ケアにお使いいただけます』
全身につかえるのか~イイね!
『無香料、無着色、低刺激、アルコールフリー』
たっぷり200g入って 700円、だと?コスパ最強!
女子へのクリスマスプレゼントはこれと口紅のセットにした。
次は スーパーへ。
女神(奥さん)に 教えて貰った ハイカカオのチョコレートを買うためにチョコレートのコーナーへ。
カカオ70%以上のものがそうだ。
カカオに含まれるテオブロミンには脂肪分解作用、さらにカカオポリフェノールには脂肪の蓄積を抑える効果がある。
なんたって、砂糖をカットしている分、低糖質。
棚をみると、カカオ70%、80%、90%とある。
美味しいと感じるのはカカオ70%
大人の苦みのカカオ80%
カカオ通ですね90%尊敬します。
でもですね、ホットミルクに入れるならカカオ90%ステキなんですよ!
ミルクの甘みだけの甘くない、香り高いココアになる。
買ったけど 食べるの無理だった……て方は お試しくだされ。
カレーに入れるのも
深い味になります。
とりあえず三つとも買う。
異世界にもあったな、チョコレート。
クッキーにチョコチップ入ってたし。
町に行けば買えるのかな?
他にも、異世界に無さそうな調味料を買い、ランのために 猫のオヤツ『じゅ~る』も買い、スーパーをでる。
リュックがパンパンになった……
さて、次は……酒、かな。
ギルロスさん、モルガンさんあたりは酒にしよう。
酒屋をのぞいてみる。
ギルロスさんはラム酒が好きだった。
香りがいい酒がいいのかな?
ウイスキー?ブランデー?
いやいや、お土産で買うなら やっぱり日本酒かな。
異世界では絶対飲めないから。
日本酒初心者に贈るなら『
スッキリしてて、水のように清らか。
そして、本当に水のように呑めてしまう……
またギルロスさんは 後で大変なことになる。きっと、なる。
しかも、あれは 冷酒向き。
冬は熱燗よね~
有名どころでいったら『久保田』『八海山』
『久保田』は そのまま飲むか、ぬる燗のがおいしい。
旨味と酸味とほのかな甘みが余韻でのこる。
『八海山』すみきった辛口さが特徴の日本酒。
燗をすることでやわらかさが前に出てくるが、淡麗さもある。
八海山は熱燗でないと!と豪語する人もいるくらいだ。
和食にも、洋食にも合う。
冷やでも、ぬる燗でも、熱燗でも美味しい。
「うん、これにしよう」
ギルロス、モルガン、ランに 八海山 清酒を購入。
店を出て後悔。
ああ、後にすればよかった……
一升瓶三本は重すぎる……
疲れたな。
そうだ、お昼にしよう。
12時ランチタイムで混みだす前の11時。丁度イイ。
何にするかって?
……決めていました。
異世界では絶対食べられないもの。
それは――――
『寿司』
回っているリーズナブルなお寿司!
小心者ですからね、回ってないお店には入れませんよ。
昨今の回転寿司は タッチパネルで好きなもの頼めますから 一人でも余裕で入れます。
たまにはお米もいいじゃない?
体重も減ってたし。
昼は好きなものを食う!正月前借り!
かくして、ひと月半ぶりに 白米を口にすべく 回転寿司屋に入った。
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