5話 モーニング
朝食はサラダとシリアルだった。
シリアルはいわゆるオールブラン。
白くないやつ、甘くもないやつですね(・∀・)ノ
流石イシルさんわかってらっしゃる!
サラダはパワーサラダ。
みずみずしいレタスとキャベツの上に鳥のむね肉がのっている。
お手軽お馴染みダイエットのお供サラダチキンすね(o^-')b
いやね、こう言っちゃなんですがね、器って大切だな~て思いましたよ。
はっきり言いましょう
現世の器は
丼でした。
均一某ショップで買える お椀のデカいバージョンです。
笑うがいいさ 楽なんだもんよ。
なにがいけないって、沢山入っちゃうのがいけない。
白いご飯 何膳分? 二膳以上はいっちゃうよ?きっと。
シリアルだってこれの倍以上入るし。
現世の自分を叱咤しつつ、あえて言いましょう
ホテルですかイシルさん
白地にゴールドラインの綺麗なベリー皿に バナナのスライスがかざられたオールブラン。
涼しげなガラスの器に盛られたパワーサラダ。
さりげなく両手つきの器に盛られたコンソメスープ。
清らかな水をたたえたブルーのゴブレット。
綺麗に磨きあげられたカトラリーに真っ白なナプキン。
そして目の前には朝日を受けてキラキラ光る金の髪をたずさえた美しいエルフ。
絵になるなぁ……
お腹いっぱい胸いっぱい。
いや、嘘です。お腹はすいてます。
ミルクピッチャーからシリアルにミルクをそそぐ。
たんぱく質、食物繊維、抑えた糖質。
イシルさんとお話ししながら朝食をとる。
自然とゆっくり食べることになる。
「本当は朝沢山食べた方がよいのでしょうが何分時間がなくて申し訳ない」
「いやいや、イシルさんこんなに作っていただいてこちらこそ申し訳ないですよ。朝はいつもは食べないので」
朝時間がないのはいつの時代も同じ。
コーヒーだけ飲んで終わりだったし。
「それはいけませんね。シズエは早起きだったので朝昼はしっかり食べて、夜は軽くで、早目に寝ていましたね」
おぅ!シズエ殿は規則正しいな!なんで糖尿なったんだ?
「シズエはお酒と甘いものが好きだったんですよ」
「あー」
納得。
「イシルさんはお酒は呑むんですか?」
「え?あー……ほどほどに……」
ん?目が泳いでますよイシルさん。
こりゃ相当呑むな。
他愛もない会話は楽しい。
「シズエにはこんなの堅苦しいといわれたのですが、朝食はいかがでしたか?」
「素敵でした!」
「久しぶりに使える食器にわくわくしてしまい、どれにするか迷ってしまって……」
はにかむイシルさん。可愛いなおい。
「僕もこんなに楽しい朝食は久しぶりでした」
ここに来て一番の笑顔を見せてくれた。
そんなん見たら惚れてまうやろ!!!
◇◆◇◆◇
朝食後、サクラはイシルから仕事を頼まれた。
村に行って、これをある人に渡してほしい、と、手紙と人工魔石を渡された。
人工魔石の使い方は色々あるが、渡された人工魔石はあらかじめ作っておいた亜空間の扉をあけるスイッチのようなものらしい。
そこに荷物を入れておいて相手に渡すことがでる。
生き物は入れられない
人工魔石は一度の使いきり
亜空間と人工魔石の魔力の質が違うと開けられないので、間違った空間を開けてしまうことは無いそうだ。
渡す相手は村の食堂のサンミさんというおかみさん 因みにドワーフ。
そんなに広い村ではく、村に一軒しかない食堂兼宿屋だから、すぐにわかるはずだと。
「村まではどうやって行けばいいですか?」
「心配ありません」
イシルはサクラを研究室に招き入れた。
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