第2話 阿弥陀如来の警告
阿弥陀如来は脇侍である観音菩薩が孤児となった二匹の獣をわが子のようにかわいがり、仏の教えに沿って教育していることを微笑ましく見守っていました。
ある日、二匹の獣の子どもたち、狐と山犬の修業の様子を伺う機会がありました。そこで、何事でも物覚えがよく、とにかく習得するのが早い狐をご覧になられ、怪訝な表情を浮かべられました。そして観音菩薩に向かってこう仰られたのです。
「なるほど、観音菩薩の言う通り、優秀なよい仔たちですね。けれど子狐は、あの狐は賢こさが過ぎますね。学んだことをすぐに吸収し、適応力もあってなかなかの知恵者となるでしょう。しかし・・・その知恵が余計なところに悪用されなければよいのですが・・・」
果たして、この阿弥陀如来の懸念はその後現実となってしまうのですが・・・。それはさておき、
それから狐と山犬は観音菩薩のよき弟子となって、観音菩薩が地上に降りるところに度々随行します。そこでやがて複雑な人間界の様相に困惑することになるのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます