榊原夢の怪談

榊原 夢

第1話 夢の中の女


これは自分が学生時代に体験した話です。




大学一年の秋頃、僕はだいぶ遊び慣れて学生ライフを満喫していました。


そんなある日、夕方ぐらいに実家ぐらしの僕はyoutubeの心霊スポット凸の動画などを見て時間を潰していました。




騒いでいるyoutuberを尻目に僕は眠くなってリビングのソファーで横になった。


パソコンの画面の中、自分と同じぐらいの年のyoutuberが映ったと騒いでいる幽霊の顔?をアップにしていた。


僕はその幽霊らしきもやもやした顔を見ながらアホらしいと思いながら、夕飯に呼ばれるまで寝ることにした。




「寒い」




僕は妙な肌寒さで起きた。


部屋は真っ暗だった。




「母さん?」




真っ暗な部屋の中、呼びかけても返事はなく、パソコン画面だけが煌々と点いていた。


リビングの電気をつけようと立ち上がった。その時、ふとパソコン画面が気になった。


自分はyoutubeの設定を自動再生にしている。でも、画面は止まっている。


あの幽霊の顔のアップで止まっていた。




くだらないと思いながらも、こんな状況のせいで何だか薄ら寒く感じてしまう。


僕はリビングの電気をつけるスイッチまで歩いてそれを押した。




カチ
















カチカチ




















「何で付かないんだよ!」




何度スイッチを押そうと電気が付くことはなかった。


心臓が耳のすぐ横で鳴っているみたいにドクンドクンと僕の恐怖を煽る。


恐怖で汗が滲み出てきた頃、僕は感じ取った。




僕の後ろに何かいる。




何か輪郭をもったものが僕の寝ていたソファの側にいる




僕ははっはっと短い呼吸しか出来ない




ぎ ぎ と床を踏む音がした




近づいてくる?




僕はその時 何を考えていたかなんて分からない


ただ 多分 好奇心に負けたのだろう




僕は後ろを振り返った




そこには




「み た よ ね」




今まで聞いたことないような声と先ほど画面で見た女の顔がそこにはあった。




僕は叫んだ。


すると、体全体に強い衝撃がきた。


僕は痛みで目を瞑り、痛みが収まってから目を開けた。


目を開けると母が心配そうに顔を覗かせている。




「あんた大丈夫?」




「あ… え?」




どうやらソファーから落ちたようだ




夢、そうか、あんな動画見た後に寝たから夢みたのか。




僕は母に大丈夫といい、youtubeの動画を閉じようとしたところ パソコン自体の電源が落ちていた




あれ?




パソコンの電源は二度とつかなった




二、三日してあの動画のyoutuberのツイッターアカウントを見つけた。


彼はあの動画をアップしたあと死んだらしい


自殺のようだ。彼の親を名乗る人がそうツイートしている。


その報告の前のツイートを見てみると




“道連れにしてやる”と書かれていた。




個人に当てたものなのか、それとも不特定多数にあてたのか、僕には分からなかった。


何故彼があんなくだらない動画を投稿した理由も何も分からない。


僕はただ偶然あの動画を見つけただけだし、リスナーは他にもたくさんいる。




ただ道連れには出来てるんじゃないか。


もう僕は限界だ。


夜寝ようとするとあの女がいるんだ。


だから 僕もあのユーチューバーに習って道連れにする事にした。


僕は動画を取る技術はないけど喋ることぐらいはできるから。




だから この話を聞いているみんな。




道連れだ。

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