第6話
一行は静かに街から出て、まず目撃情報のあるビッグボアを狩ることにした。
しばらく歩いていくと、遠くに大きなイノシシを中心として何匹か周りに小さなイノシシの集団がいた。
「智也くん、見えるかい?あれがビッグボアとスモールボアだよ。
ロビンがビッグボアの相手をするから、我々はスモールボアを引き付けよう。
その前に魔物の倒し方について説明しよう。
基本的に魔物の心臓部にはコアと呼ばれるものがある。
このコアを破壊すれば生命活動がすぐに止まる。
それ以外にも普通に倒す方法もあるけどこれが一番手間がかからない。
基本はコアを破壊できるように立ち回るんだ。
しかし注意が必要だ。魔物の体で一番高く売れる魔石という部位がある。
普通、魔石は頭の中心にある。
だから頭への攻撃は有効だけど売る時に値段が落ちてしまう。
どうしようもない時以外はなるべく頭の中心は狙わない方がいい。
大体分かったかな?」
「分かりました!見たところそれほど数も多くないですし、落ち着いて頑張ります。」
「よし、ではロビンが戦えるように陽動に行こう。」
***************
「よし、静かにね。」
死角からうまく観察する。
「いまだ!」
ギルバートが飛び出した。
それぞれに剣で少し威嚇をし、一目散に逃げる。
「うぉ!来たな!
よし! うりゃぁ!」
向かってきたスモールボアを死神様から貰ったマジックソードで斬りつける。
なんの抵抗も感じないまま首を切り落とした。
「うわぁ!凄い切れ味だ!
このままいくぞ。」
ヒッチアンドアウェイを繰り返し、無事に全てのスモールボアを討伐した。
「良いじゃないか!やはり私が思った通り智也くんは筋がいい。
初めてとは思えない剣さばきだ。
これでロビンはビッグボアに集中できるぞ。」
少し離れた場所にいるロビンに目をやる。
「食らえ!」
その小さい体からは想像できないほどの大火力でビッグボアを瞬殺した。
瞬殺したはずが、ロビンは浮かない顔をしている。
「ロビン、いつも言っているだろう?
そんな魔物に大きな魔法はいらない。
相手に合った技でしっかり仕留めなければ魔力の枯渇でお前はやられてしまうぞ。
同行人がいて張り切るのはわかるが、しっかりやるんだぞ!」
少し強い口調でギルバートが注意をした。
「ごめんなさい、もっと頑張るよ。」
「智也くんはかなり良かったんじゃないかな?
それほど魔物に物怖じしてなかったし、良い距離感を保って攻撃できていたよ。
さて、反省はおしまい!
昼食にしよう。
昼食では泊まった宿からサンドイッチが出た。
久々のサンドイッチに感動する智也であった。
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休憩が終わり、道を進んでいくと、盗賊団の被害の多い地域に入った。
「この辺はギルドの人が言うにはライト盗賊団が多い辺りらしいから心して行こう。
あ、言ってるそばから出てきたみたいだ。」
目を凝らすと人に囲まれた馬車が見えた。
「おい、お前たち!ここを動くな。金目のものを差し出せば命は助けてやる。」
「ここを動くんじゃないz」
ドガーーーーーーーン!
とてつもない爆発が起こった。
ロビンだ。
「こら!ロビン。
また無駄打ちをしたな!」
「でも助けるにはこうするしか!!」
「とりあえず今は場の制圧をしよう。」
凄いスピードで相手を斬り伏せ、ギルバートはあっという間に場を制圧した。
「お前たちが噂のライト盗賊団か?」
「そうだ!悪いか?!
お前たちは俺たちの怒りを買った!
お頭がお前たちを懲らしめてくれるはずだ。」
ロビンが魔法を使う。
「お前たちのお頭はどこに居るんだい!」
「向こうの大きな木の幹の中です。」
盗賊は急に自白した。
どうやらロビンの魔法は自白を促すものらしい。
「そこに連れて行け!」
そういうと盗賊たちは大人しく自分達のアジトまで連れていくのだった。
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