孤独

黒豆

第1話

人は生まれながらにして孤独だ。

誰かと一緒だとか、誰かと何千回交わろうが、それは変わることはない。


残酷なことほど真実で真理なのだ。


人は人を本当の意味で理解などできない。

だが、人はその欺瞞にすらすがりまるで孤独ではないかのように振る舞う。

非常に滑稽だ。


きっと我々は、本当の孤独をまだ知らない。

真っ白で寒くて寒くてしょうがない。悲しいだとか、辛いだとかそんなんじゃない。ただただ痛くてしょうがない。


だから執拗に執着してしまう。孤独にならないために、人を愛していないのに、愛しているかのように振る舞う。きっとそれは全て孤独から逃れるための唯一の手段であるからだ。


しかし孤独がなくなることもなく、愛で満たされるわけでもない。ただ残るのは空虚感だけだ。


ずっとずっと空虚で満たされぬこの心はいつ満たされるのだろう。いやきっとこの心を満たすのは私自身なのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

孤独 黒豆 @96001202

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る