第61話 泉のマリンダ
■スタートスの泉 ~第5次派遣3日目~
マリンダと目が合ったタケルは思わず水へ体を沈めた。
(こっちが乙女になるっての)
「マリンダさん、どうしたんですか?」
「ご一緒してもよろしいですか?」
「・・・?」
俺の返事を待つまもなく、マリンダが服を脱ぎ始めた。
タケルは唖然として声が出ない。
この世界の服は麻の上下を腰の紐で縛っているだけだ。
女性はTシャツのような下着を着ているがブラジャーもない。
今回確認したが、パンティー?も履いていなかった・・・
あっという間に全裸になった。
頭のどこかで止めるべきと言う声がするが、喉からは声がでない。
あまりにも美しかった。
ほとんど無駄な肉がついていない白い肌に金色の長い髪が垂れている。
引き締まった腰の上に、大きくは無いが綺麗な形の乳房が・・・
その下にはブロンドの・・・
マリンダはまったく隠すこともなく、泉の中へ入ってきた。
「・・・マリンダさん?」
「私にも、水の魔法を教えてください」
目の前にいつもの美しい切れ長の目、シャープな輪郭の小さな顎。
胸には聖教石のペンダントだけが下がっている。
だが、その横には綺麗な乳房の上にピンク色の・・・
「み、水の魔法ですか?でも、いきなり裸にならなくても教えられますよ?」
「でも、タケル様のやり方を知りたかったのです。二人にもなれますし・・・」
(これは、アカン。絶対我慢とか無理だわ。でも、今更止めようも無いか)
タケルは腹を括ることした。
「じゃあ、やってみましょうか? 私と同じように水に浮きながら、ワテル様に感謝を捧げてください。その時に全身で水を感じるってのがポイントです」
「水を感じるのですか? わかりました、やってみます」
マリンダは水に顔をつけて泉に浮かんだ。
浮いたお尻が・・・
(これでオアズケは拷問だな)
「ワテル様へ祈りを捧げました」
顔を上げたマリンダの口元に濡れた金髪がかかる。
モデルの写真集のように美しい・・・
(集中しないと)
「では、次はこの石を持ってください。そして、目を瞑って出したい水の絵を頭の中でその石に伝えてください」
目を閉じたマリンダの顔は、キスを待っているようだ・・・
(もっと集中しないと)
「では、最後に『ワテル様、ウォーターと言いますので、水の力をお貸しください』と頭の中でお願いをしてください」
「いたしました」
「では、聖教石を的に向けて集中できたら、水の絵をもう一度頭に浮かべて『ウォーター!』と叫んでください」
マリンダは頷いて右手を的の木に向けた。
伸ばした腕だけ見ていても美しい・・・
(更に集中しないと!)
「ウォーター!」
目を開いたマリンダの声と共に、前方に水球が現れた!
大きさは50cmぐらいだろうか?
真円のきれいな球だった。
マリンダ越しにしばらく見とれていると消えた。
「できました! タケル様!」
振り返ったマリンダは子供のような笑顔を浮かべている。
美しさの中にあどけなさが・・・
タケルは思わず、マリンダの腕を掴んで抱き寄せた。
そのまま、首の後ろに手を回して唇を重ね、強く抱きしめる。
マリンダの手もタケルの腰へ回されてくる。
唇を離して見つめたマリンダの顔には先ほどとは違う笑顔が浮かんでいた。
もう一度抱き寄せて、さっきより力強く抱きしめる。
「マリンダ・・・」
「タケル様・・・」
(ワテル様、しばらく目を瞑っておいてください)
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