ハズレスキルだと馬鹿にされた"変わり者"スキルで種族を超えて変身・進化します〜スライムの次はゴブリンです〜  

ネコlove

プロローグ

「一緒に冒険者になれるといいな。」


「ん。一緒。」


「アリア・スタッド前へ来なさい。」


「いってらっしゃい。」


「ん。」


「この水晶に触れてください。そしたらあなたの女神からの祝福がわかるでしょう。」


アリアが水晶に触れると同時に金色に光り輝き、その輝きが収まったかと思うとそこには驚いた顔をしている教会からの使徒がいた。


「あなたのスキルは剣姫で、す。星5スキルの超レアスキルです!」


「おいおい!マジかよ!剣姫が出たのか!」


そんな歓喜の声にも耳を貸さず、スキルを聞いた彼女は、こう言った。


「そのスキル強い?冒険者できる?」


「とっても強いです!逆に冒険者以外になれませんよ!勇者様と一緒のパーティーになれるかもしれませんし。」


「ん。分かった。」


そう言って自分の元まできたアリアを見て、自分はどうなのだろうかと、不安になる。


「グレン・ウィーベル前へ来なさい。」


「はい。」


緊張した面持ちで、ゆったりと今のこの状況下を嗜みながら進む。


「この水晶に触れてください。そし

たらあなたの女神からの祝福がわかるでしょう。」


今からの俺の人生を決めるであろう水晶玉に睨みを効かせる。


その水晶玉からは、妖しい魅力を感じられた。

恐る恐る手を伸ばし、指先が水晶玉に触れた所で、俺の手の触れた所から、金色へと変わっていく。そしてまた、元の空を映したかのような色に戻ると共に、教会からの使徒は言った。


「あなたのスキルは"変わり者"ね。星5スキルであることは間違いないんだけど…私も今まで見たことも聞いたこともないからどういう職かはわからないわ。鑑定でも、何も出ないわね…要するに新種のスキルね。」


「冒険者はできると思いますか。」


「名前だけ見ると無理そうね…」


「そんな…」


「もしグレンが冒険者出来なくても一緒いる。落ち込んじゃダメ。一緒に過ごす。ヒモになる?」


「何言ってるんですか!剣姫って言うスキルは女性の憧れで冒険者になりたくてもなれない人もいて。なのに!スキルに恵まれて、魔王を倒す力の一員になれると言うのに!あなたは!ダメです!あなたは…」


アリアは責任感が強いからそこに責任を感じたのだろう。


「……分かった。でも、私はグレン以外の男とはパーティー組まない。あと、1年間私スキルをうまく使えるように練習する。その一年でグレンは強くなってるから。私はグレンとパーティー組む。」


とても嬉しい言葉だった。

少し乾き始めていた俺の心に一滴のアリアという美しい雫が垂れ落ち、俺の心に潤いを与えた。

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