(更新)100万円争奪!三角公園の秘密解明コンテスト(Ver.2.0)

イノベーションはストレンジャーのお仕事

第1話 The 三角公園

コンビニの脇に「三角」の形をした中途半端な広さと形をした公園がある。公園の脇は朝方や夕方は通勤等の影響により割に交通量が増えるのに加えて、仮にコンビニに行ったとしても公園に特別用事がある訳では無いので、「存在はするがほぼ用事の無い公園」というご近所さんたちの認識であった。公園の名は通称「三角公園」。何の捻りも無い。

その公園の敷地は然程広くなく、脇のコンビニ駐車場より狭いくらいだ。子供たちが遊ぶには狭すぎる。だから中途半端な広さなのだ。なので、その公園の存在の意味合いが全く不明のままである。当然、駐車スペースなどない為コンビニ駐車場を利用して車道を横切り「徒歩」でしか公園に行けない。

その公園には三角形の先端の3か所に大きな松の木が植わっている。底辺部に花壇があり、近所のおばあちゃんが手入れをしている様でいつも綺麗に花が咲いている。


ある夜、彼は彼女を連れて公園隣のコンビニに居た。彼が煙草を吹かしていると、夜深い時間にも関わらず、コンビニに車を置いてスマホで何やらしている人たちがいつもより多く見かけられた。

「なんだろうね?今日はやけに人が多いわよ」

「そうだなぁ、こんな夜中なのにね」

そんな事を言っていると、彼は職場の友人である「杉山」を見かけた。

「おーい、すぎやま~」

そう言って手を振ると、杉山は直ぐに彼らに気が付いた。

「おう、お二人さん。コンビニデートか?」

「まぁそんなとこだ。しかし、あの公園でみんな何やってるんだ?」

「いやぁ、地方のSNS掲示板にこの公園の昼と夜の違いを一番に見つけたら100万円貰えるって言う懸賞があってな」

「へぇ~そんなのがあるのか。俺は此処の近所でこのコンビニにもしょっちゅう来ているけど、あの公園に昼と夜に違いがあるなんて初耳だよ」

「地元の人間がそう言うんだからこそ懸賞が掛かっているんじゃないのか?」

「まぁそうだな。お前はその違いが分かったのかよ?」

「いや、全く」

「だよな~。俺も知らんし、きっと分からんような箇所なんだろうな」

「だろうよ。取り敢えず写真を撮って見比べないといかんな」

「なんか大掛かりな間違い探しみたいだな」

「同感」

杉山はこくりと首を縦に振る。

「じゃ、おれはもう少し研究してくるよ」

「おう、そうか。まぁがんばんな」

杉山は小走りに三角の公園に戻って行った。

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