第31話

「俺、前からおまえは才能あると思ってたんだよ。俺の見る目は正しかったな!」


そう言った先輩は、風紀委員のメガネっこだった…。


鏡を見ると…僕は、ゴズロリ少女のコスプレをさせられていた。


え~!


何、何? 


俺、超絶美少女じゃん!


何この儚げさ!清楚さ!


やっべー!


我ながら自画自賛が止まらないぃ~~~!




「君たち!こっちに来て座りなさい。」


藤堂社長が僕たちを呼んだ。


振り向くと、微妙なコスプレの社長がソファに座っていた。


肩上くらいのボブヘアーのカツラをかぶって、その上から布製のつばが広い、特に後ろが広くなっている、いわゆるUV対策用の帽子。


首にはタオルを巻いている。


微妙なサイズの半そでのポロシャツで両腕にはこれまたUV対策用のアームカバー。


そして、スポーツ用のパンツを吐いて、スニーカー。


なんなんだろ?


この微妙なコスプレは?


「さ、こっちこっち!」


藤堂社長は、手で自分の横をパンパンと叩いた。


やっぱり僕は勘違いされている! 


ネイルの跡があったからおかまと思われたんだ。


いくら仕事相手の社長さんとはいえ、期待させるようなことさせちゃダメだ! 


藤堂社長を受け入れれば仕事がもらえるかもしれないけど、そんな枕営業なんてダメだ!


エマからぶちまわされる!


いや、殺される! 


エマ、僕は君のために(というか自分の身の安全のため)貞操を守るからなぁぁぁー!


今、はっきり言おう!

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