異世界で俺TUEEEしてるチート能力者を黒髪の飲んだくれ美少女と犬耳美少女がその能力を没収していく冒険活劇
⑨郎
第一章
第1話 ポメルはパートナーを探し、彷徨う
すっかりと日も落ちてしまっていたが、このあたりはまだ煌々と明かりがともり、人通りも一際にぎわっていた。王国領の中でも有数の歓楽街であるこの場所には昼も夜も関係ない。
どこにいるんだろうか。
目深にかぶったフードが脱げないように注意深くあたりを見回してみる。
途端に、どんと背中に強い衝撃が走った。
急に立ち止まったせいか、後ろから何者かに体をぶつけられたみたいだ。小柄なポメルはそのいきおいで転びそうになったところを間一髪踏みとどまった。
振り返ると大柄な男が迷惑そうな表情でこちらを見下ろしていた。
びくりと体を強張らせる。
「ご、ごめんなさい」
ひいい、怖いよう。
男は、ふんと鼻をならすと不機嫌な様子で通り過ぎて行った。すれ違いざまに舌打ちのおまけつきだ。よろよろと側道へと避難する。
「ひっ」
思わず声が出る。
表通りとは打って変わって暗がりのその道端には明らかに関わってはいけないであろう人たちが虚ろな目でポメルを見つめていた。
「お嬢ちゃん、何か用かい」
やけにねっとりとした丁寧な言葉使いの中に下卑た笑いを浮かべている。
「な、なんでもありません」
踵を返すや否や、すぐさま元いた通りへと駆け出していた。
「一体、どこにいるのよぉぉぉぉ!」
心の叫びが口から漏れ出る。
かれこれ自分の相方なる人物を探し続けて半日は経とうとしていた。
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