第37話 対戦開始

 リクトが一ヶ月分の栄養補給を終えた頃、上級魔族六人による武舞台の建設のみが終わった。


「遅いぞ。まぁ武舞台があれば良いか」

《広すぎんだよっクソがっ!!》

「じゃあさっさと始めようぜ。一日一試合だったよな?」

《あ? まさか……今から始める気かっ! それは卑怯じゃないか? 俺らは休まずこいつを仕上げてたってのによぉぉぉっ!》

「なら働いてない奴から指名すりゃ良いだろ。相手はお前だ、色っぽい姉ちゃんよ?」

《私? ええ、構いませんわ。では第一試合は私、【ミランダリア】が相手を務めさせていただきますわ》


 二人が武舞台に上がる。リクトは向こうに並ぶ魔族らに問い掛けた。


「一日一試合。一対一。ルールはなんでもあり。死ぬか、場外に落ちるか、降参したら負け。勝った方は相手を好きに出来る。これで良いんだよな?」

《ああ》

「わかった。じゃあ始めようか、ミランダリア」

《ええ》


 何でもありなので審判など存在しない。開始も全て自分らで決める。


「来な、ミランダリア」

《では……参りますわ。……はぁっ!》


 ミランダリアの両手が左右に開き、両の膝が地に触れる。そして上体がゆっくりと折られ、彼女の口から声が発せられる。


《参りましたわ》

「ああ」

》》


 上級魔族らは一斉に突っ込んだ。


《お前っ! 戦いもせず負けを認めるだとっ!? それでも上級魔族かぁっ!!》

《あら、私はちゃんと戦ってましたわよ? あなた方がリングを作っている間にね? 結果……勝てそうにないと判断したため私は降参しましたの》

《ふざけんなっ! お前はただそいつに跨がってただけだろうがっ! 何が勝てそうにないだ、要は早く続きしたいだけなんだろうがよっ!》

《そこまでわかってるなら邪魔しないで下さる? 私は戦う前からもうリクト様のモノよ。リクト様、続きしましょぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!》


 ミランダリアは試合が始まる前から負けていたのだった。


「じゃあ今日の試合は終了な。明日の相手でも決めといてくれ」


 そう言い、リクトはミランダリアを侍らせ武舞台を降り、その先に立派な屋敷を一瞬で創り出した。


  

「じゃあな」


 リクトはミランダリアと屋敷の中に姿を消した。


《クソがっ!! いきなり負けとはなんたる醜態っ!! ……まさか、この中にまだ奴に降参しようとか思ってる奴はいないだろうなぁぁぁっ!》


 十魔天の頭らしき男が仲間らを睨む。


《私も降参します》

《ぼ、僕もですっ!》

《あぁぁぁぁっ!? ……勝手にしろっ! この魔族の面汚しどもがぁぁぁぁぁっ!!》


 リクトの屋敷に女の子の魔族と男の娘の魔族が嬉しそうに駆け込んでいった。


《戦ってもないのに、いきなり七人になっちまったぞリーダー?》

《雑魚はいらんっ! もう降参したい奴はいないだろうなぁっ?》

《いねぇって。それより……戦う順番決めようぜ? 明日は誰がいく? リーダーは最後としてだ……》


 それにリーダーがピクリと反応した。


《待て。何故俺が最後なのだ》

《そりゃ一番強いからに決まってるだろ? リーダーが出たらそこでこの余興が終わっちまうじゃないのさ》

《あぁ? 早く終わらせた方が良いだろうが》

《ダメダメ。折角こんな武舞台まで作ったんだぜ? 楽しまなきゃ損だろう?》

《……む。う~む……》


 リーダーは仲間に説得され最終日に回された。そして残る六人がじゃんけんで戦う順番を決めていく。


《っしゃ! 明日は私だなっ!!》

《くっそぉっ! いきなりサブリーダーからかよ! こりゃ俺らの出る幕ねぇぞ!》

《あ~あ、つまんね……》

《あはは、そう言うなって! もしもって事もあるかもしんねーしさ? な?》


 翌日の相手はサブリーダーの女に決まった。

 その頃屋敷の中では……。


「ほぉん。じゃあ気を付けなきゃならんのはリーダーとサブリーダーの二人だけって事か」


 リクトは仲間にした魔族から残る七人の情報を聞き出していた。


「リーダーはヴァンパイア、サブリーダーは人狼。で三番目に強いお前がサキュバスで、そっちの二人は魔狼だったか」

《はい、リクト様!》

《はいっ!》


 女の子と男の娘は腹を出して服従のポーズをとっていた。


「よしよし、お前らは賢い選択をした。御褒美をくれてやるとしよう」


 リクトは女の子を複数回抱いた。そして男の娘も女体化させ、快楽に堕とした。そして今再びミランダリアを抱えて快楽を貪る。


「ん~、さすがサキュバスだ。たまらんなぁ」

《あぁぁぁっ! 逞し過ぎますっ、リクトさまぁぁぁぁっ!》

《リクトさまぁ……、気持ち良かったぁ……》

《私も念願だった女の子に……! リクトさま……、もっと使って下さいぃっ!》

「はははははっ! これから何回でも使ってやる。だから俺に逆らうんじゃねぇぞ?」


 こうして三人の魔族はリクトの手中に堕ちた。そして翌日正午。四人目が武舞台上でリクトにより汚されていた。


《くあぁぁぁぁぁぁぁっ!!》

「ふんっ、夜でもなけりゃ人狼なんてこの程度だろ、オラアッ!」

《あぁぁぁぁぁぁぁっ!!》


 サブリーダーの人狼は武舞台上で衆目の中後ろから突かれている。それはもう数時間続けられていた。


《何をしているかぁぁぁっ! 早く反撃をせんかっ!》

《む、無理だぁっ! 奥を突かれて力が入らな……んくぅぅぅぅっ!》

《この役立たずがっ! もう良いっ! さっさと降参しちまえやっ!!》

《降参すりゅぅっ……、私の子宮、完全に降参してりゅぅっ……!》

「おいおい、まだ数発しかやってないんだぜ? だらしないにも程がある。屋敷に帰って続きだ」


 リクトは背後から挿入したまま女を抱えて持ち上げた。


「じゃあこいつはもらってくわ。ああ、あと……残るお前ら野郎共に降参は認めねぇからよ。じゃあな~」

《誰が降参などするかぁぁぁぁぁぁっ!》


 リクトはサブリーダーの人狼を抱え屋敷の中へと消えた。


《サブリーダー負けちまいましたね……》

《あの動き……見ました? サブリーダーの攻撃が掠りもしませんっしたよ?》

《昼ならあんなもんだ。夜と違い人狼の力は昼は激減する。しかし……それでも人間を狩るには十分なはずだが……。奴はそれを軽く越える力を持っていた。それだけの事に過ぎん。良いか、手加減はいらん。殺す気でかかれ。じゃなきゃ死ぬぞ、良いな?》

》》


 残り六人、魔族からは余裕がどんどん消えていくのであった。

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