18
神ツ国へ向かいたい、と云ったヴァレリーとエリシュカに、ヴァイスは緑輝石の瞳でふたりを交互に見つめながら、そうか、と応じた。
「いつかそう云い出すとは思っていたがな」
「無理だと云いたいのか」
ヴァレリーの言葉に、ヴァイスは表情を変えることもなく、頷くこともしなかった。
「ヴァイス」
「無理ではない。ここからそなたらの目的とする地までは、さほど離れてはいない。残る尾根道を無事に歩むことさえできれば、あとはもう大した難所にもならないだろう」
天候が味方になりさえすればな、とヴァイスは云って、ひょいと眉を持ち上げてみせた。氷のような無表情が少しだけ崩れて、エリシュカには、彼がいまの状況を楽しんでいるのだということがわかった。
「だが、天候こそがもっとも厄介な要素だ。それはわかっているのだろう?」
「無論だ」
「それでも行くのか」
ああ、とヴァレリーは頷いた。
いまの三人は食卓を囲んで、エリシュカが淹れた食後の茶を飲んでいるところだった。
卓の上に広げられた地図の上で、ヴァレリーは軽く握っていた拳をくっと引き締めた。
「そうしたいと思っている」
「そなたもか」
ヴァイスの目はエリシュカに向けられる。なにもかもを見通すような緑輝石の色眼差しが、いつもよりも強い輝きを放っているような気がして、エリシュカはわずかな気後れを覚えた。
「はい」
答えた声は思ったよりも硬かった。エリシュカが小さな咳払いをして、もう一度同じ返事をしようとしたとき、もういい、とヴァイスが云った。
「そなたたちの意思はわかった。ならば、そのようにするといい。私には関係のないことだからな」
「以前は引き止めたのにか?」
ヴァレリーは思わず両の眉を持ち上げた。
「止めてもらいたいのか」
ヴァイスはどこか冷たく響く声で答える。
「なにごとかを心に決めた者は、他人の言葉になど耳を貸さないものだ。いまのそなたたちがそうであるように」
かつての私たちがそうであったように、とは、ふたりには決して届かないヴァイスの心の中の声である。
なそうとするなにごとかが愚かなことだとわかっていても、あるいは誤りだと、よくないことだとわかっていても、一度そうすると決めてしまったことを覆すのはむずかしいものだ。
心を決めるのは理性だけではないからだ。
ヴァイスはそのことをよく知っていた。だから、これから厳しい道を征くことになるふたりを前にしても、その心を変えさせようとはしなかった。
「人は結局、自分の思うようにしか生きられないものだ。誰がなにを云おうとも、心を決めるのはそなたたち自身。迷いを捨て、自ら一歩を踏み出そうという気になったのなら、引き止める理由はどこにもない。好きなときに旅立つがいい」
生きるとはそういうことだ、とヴァイスは云った。
生きるとは、自らの道を自ら決めて歩むこと。誰かに決めてもらった道をただ進むことは、生きることとは違う。
ヴァイスがかつて愛した――いまも、深く愛し続けている――魔女が云った言葉だ。
魔女マリア。
西国でいまも語り継がれる、史上最強の魔女にして最悪の罪人。強大な魔力を持って生まれ、やがて偉大な魔女となり、しかしヴァイスと出会って彼を愛したことで、死したのち地獄に落とされた伝説の女。
だが、ヴァイスの知るマリアは、強くやさしく、そのくせ傷つきやすくて扱いづらい、――可愛くてたまらない恋人だった。
ヴァイスとマリアは深く愛しあっていた。
けれど、それは大いなる過ちだった。ふたり以外のすべての存在にとって。あるいは、ふたりにとっても。
寄り添いあい、手を取りあうことで、ふたりが得たものは互いの存在だけだった。
失くしたものは数知れない。
慕いあった友を。恩ある師を。仕えるべき主を。
帰るべき故郷を。訪れるべき地を。歩むべき道を。
ふたりはなにもかもを失くした。
最後には人としての軛まで失くして、とうとうこんなところにまで逃げてこなくてはならなくなった。誰の目にも触れぬ、神の領域にまで。
ヴァイスとマリアを許す者はほとんどいなかった。わずかばかりの理解者たちは、みんなみんなふたりを遺して死んでしまった。
それは、人としては当然の理だったけれど、別れはいつもマリアを傷つけた。
誰かが死んでいくたびに、わたしは自分の罪深さを思い出すの、と彼女は云った。あなたとともにありたいために、人としての則を越えた罪深さを。
そう云われたヴァイスは己を呪った。大切な者との別れを悲しむマリアに、己の罪に苦しむマリアに、自由にしてあげる、と云ってやれない己の醜さを呪ったのだ。
そんなヴァイスを見るたびにマリアもまた苦しんだ。
愛しあい、慈しみあい、なのにふたりはたびたび深く傷つけあった。そのくせどうしたって離れられなかった。後悔と苦痛の中でふたりは抱きあい、愛の中で眠った。
長い長い時間、ふたりはそうやって静かに激しく過ごしてきた。ほとんど永遠の命を持つヴァイスのために、人としてはありえないほど長い時を生きてくれたマリアが、とうとうその命の炎を消してしまう、そのときまで。
ヴァイスは死を知らぬ存在である。古い神に仕える存在であった彼は、人の子と愛を交わすという過ちを犯したために主の怒りを買って堕天したのだ。
魔女マリアは、老いを避けられなくなったある時から、その持てる叡智のすべてを己の寿命を延ばすために使うようになった。それは人として許されることのない罪だった。
それほどの罪を犯しても、マリアはヴァイスを残して死んでしまった。
二度と会うことはできない。夢にも幻にも、彼女は現れてはくれない。
マリアと離れ離れになってしまってからもう何百年も経つけれど、ヴァイスはいまだに神が自分を赦していないことを知っている。
彼がこうして深い山の奥にたったひとり、何十年も何百年も誰と会うこともなく、誰と言葉を交わすことのない暮らしをしているのは、すべてはそのたったひとつの過ちのせいだ。この過ちが赦されるまで、私は死ぬことはない、とヴァイスは思っていて、そしてたぶん永遠に赦される日などやってこないのだろう、ということもわかっている。
けれど、どれだけの時間が流れても、そのあいだにどれほどの孤独を味わわされても、ヴァイスはマリアとのあいだに育んだ想いを後悔したことはないし、これからもすることがない。
神の手によって生み出され、神のためだけに生きていた彼にとって、マリアとともに生きると決めたことこそが、つまりは、自らの道を自ら決めて歩むこと――生きること――だったからだ。
彼女と過ごした数十年の幸福は、そのあとに続く何百年の――あるいは永久の――孤独をもってしても損なわれることはない。生きている限りこの想いが失われることがないのなら、むしろ、この長すぎる生命を幸いにさえ思う。
それに、彼女の堕ちた地獄を思えば、凍てつくほどの孤独など苦しくもなんともない。
ヴァイスが生きたまま罪を贖わなければならないのと同様に、マリアは死してなお罪を償い続けている。地獄の焔に焼かれ続けるという永劫の苦しみに炙られている。
ヴァイスと想いを交わすことで、己の魂が無限の苦痛を与えられることを、マリアはちゃんと知っていた。知っていて、それでもヴァイスを選んだ。選んでくれた。
だってわたしはあなたを愛しているもの。これは誰かに与えられた気持ちじゃないの。わたしが選んだ気持ちなの。いくらそれが正しいと云われたって、誰かに決めてもらった道をただ進むことは、生きることとは違う。これから先、どれほどの痛みを与えられるとしても、いまのわたしからあなたへの気持ちを奪うことはできないのよ。
だから私も耐えられる、とヴァイスは思う。マリアへの想いは誰かに与えられたものではないから。すべてと引き換えに自ら選んだものだから。
マリアが忍ぶ地獄の業火も、ヴァイスが甘んじる極寒の孤独も、互いにとっては愛の証にほかならない。
ほかの誰に信じてもらえなくとも、彼らふたりはそう信じている。
傍から見れば滑稽なことだろう。宿命に逆らい、掟に逆らい、神に逆らって、ひどい罰を受けている。自分の意思で死ぬこともできず、生きる場所を選ぶこともできず、たとえ死んだところで平穏な眠りなど訪れてはくれない。
すべては神の掌の上。
それでも、とヴァイスは思う。私とマリアとは、いまもなお手に手を携え、ともに歩んでいる。
かつてふたりで歩んだ春の野を。夏の谷を。秋の草原を。冬の森を。
これ以上ないほど、――自由に。
なにもかもを定められた命であっても、行く先の決められた道であっても、そのたったひとつこそが自ら選んだものなのだ、とヴァイスは思う。
だから、ヴァレリーとエリシュカも、互いにこうと決めた道を歩むしかない。
ヴァレリーはエリシュカの言葉を素直に喜ぶことができないようだけれど、それが彼女の選択なのだと受け止めるべきなのだ。もし仮に、それが彼女の真実ではなかったとしても、嘘を吐くと決めた彼女の意思は彼女以外に覆すことはできない。
ヴァレリーは、それがどういった形で示されるにしろ――その結果がどんなふうに決着するにしろ――エリシュカの意思を受け入れるしかないのだ。
自分の道を自分で決めることが、すなわち生きることであるのなら、誰かの道を勝手に決めたり、無理矢理に変えさせたりしてはならない。それは、誰かの命を捻じ曲げることと同じだからだ。
きっと、エリシュカにはそのことがわかっているのだろうな、とヴァイスは思った。
エリシュカは、ヴァレリーの意思を変えることができないことを知っていて――悪い意味ではなく、云い換えるならば、変えてはならないことを知っていて――、自らの身の振り方を考えたのに違いない。
そう思ったヴァイスは、エリシュカに向かってそれとない笑みを向けた。
「あのときはまだ、迷いも躊躇いもありましたもの」
ヴァイスさまがわたしたちを引き止められたのは当然のことです、とヴァイスの目配せに応えるようにエリシュカが云った。
「でも、いまは違います。アランさまにもわたしにも、自分が征くべき道が見えています。それを捻じ曲げることはできないと、そうおっしゃってくださっているのです」
そうか、とヴァレリーは呟いた。
迷い――。本当に、迷いはないのだろうか。
帰らねばならないことはわかっている。国では誰もが自分の帰りを待っていることだろう。父も、母も、オリヴィエも。多くの臣も、民も。
己もまた帰りたいと思う。愛すべき故郷、守るべき国。帰る場所はあの地しかない。
だけど。
帰るということはつまり、エリシュカとの別れを意味する。
神ツ国を目指してきたエリシュカは、故郷へ帰り、家族と再会し、そして二度と彼の地を離れることはないだろう。
二度と会うことはできない。
ようやく、向かいあうことができたというのに。
ようやく、想いを告げることが許されたというのに。
ようやく、彼女が触れてくれたというのに。
いまの状況はすべて己に責のあることと知りながら、それでもヴァレリーはせつなくてたまらなくなった。
ほんのついさっき、王太子でありたいと望んだばかりの心が悲鳴を上げた。――厭だ。エリシュカと離れたくない。
おれは莫迦だ、とヴァレリーは思った。離れないで済む方法は目の前にある――このまま東国には帰らず、山の中で果てたことにして、エリシュカとともに新たな地で暮らせばいい――というのに、それを選ぶことができないのは、ほかでもない自分だ。
そのくせ、エリシュカとの別れが現実に迫ると、まるで聞き分けのないこどものように厭だ、厭だと――。
「立ち止まっていては見えないこともある」
不意にヴァイスがそう云った。
「いま立っている場所からは、先の塞がれているように見える道でも、ほんのわずか進んだだけで通ずる場所が見えるようになることもある。別の道が拓けることも」
ヴァイスにはきっとなにもかもを見透かされている、とヴァレリーはわずかに俯いた。
逡巡も、我儘も、傲慢も。
後悔も、愛情も、慾望も。
話して聞かせたことも、そうではないことも、――おれが抱えていかねばならない、なにもかもを。
そう思えば、答えはひとつしかなかった。
「そうだな」
ヴァレリーは顔を上げた。
ヴァイスの云うように、先へ進むしかないのだろう。エリシュカの云うように、彼女とともに。
「そなたたちの云うとおりだ」
もう迷わない、とヴァレリーは思った。
厳しい旅路が待っていようとも、身を引き裂かれるような痛みを伴う別れが訪れようとも、それでもここで立ち止まっているわけにはいかない。
静謐な孤独に満ちたここは、ヴァイスのための場所であり、ほかの誰にも許されてはいないのだから。
おれたちはほんのわずかなあいだ、仮宿を許されたにすぎない。
きっともう、時は満ちたのだ。
旅立つべきときは、いましかない。
ヴァレリーとエリシュカがテネブラエを伴ってヴァイスの庵をあとにしたのは、それから数日のうちのことだった。風と雲の流れから天候の予測を立ててくれたヴァイスが、これから二、三日は嵐もないだろう、と云った翌朝である。
旅の支度は簡単だった。蓄えておいた食糧――小獣や鳥の肉、木の芽など――をそれまでの荷に足し、テネブラエの背に積むだけでよかった。
ヴァレリーが狩に使っていた猟銃を、ヴァイスは、これも持っていくといい、と云ったが、ヴァレリーは断った。食べるものにはしばらく困らない。そなたから生きる道具を奪うわけにはいかない。
自分には銃など必要ないのだ、とヴァイスは思ったが、そうは云わなかった。云う必要のないことだと思ったからだ。
横に並ぶエリシュカが深い一礼で挨拶したのと対照的に、ヴァレリーはヴァイスに向かって何度も礼を述べた。
はじめのうちはやわらかな苦笑を浮かべてヴァレリーに応じていたヴァイスが、少しずつ表情を失くしていくのを見ているうちに、アランさまはきっと見返りを求めない親切というものに慣れていらっしゃらないのだ、とエリシュカは気づいた。――アランさまはわたしとは違うのだ。
厳しい暮らしをしていても、否、厳しい暮らしをしていたからこそ、エリシュカのまわりには見返りを求めない人々が大勢いた。そういう人たちは礼すらも求めない。自分が困ったときに助けてくれればいいと、そう思うだけだ。
そうして考えてみれば、とエリシュカは小さなため息をついた。アランさまがなにもかもに恵まれている、と考えるのは間違いだったのかもしれない。
高貴なる地位や強大な権力はもとより、武にも知にも秀で、精悍な美貌にも恵まれ、そのやや難解な性格にさえ目を瞑れば、ヴァレリーは完全無欠だと云ってもいい。
だからきっと、誰も彼になにかを与えたりしなかったのだ。だって彼はもうなにもかもを持っているのだから。
ヴァレリーの周りに集まる人々は、善意であれ悪意であれ、彼からなにかを与えてもらおうとする者たちばかりだ。あるいは権力を、あるいは武勲を、あるいは知恵を。――そうでなければ、寵愛を。
ヴァレリーは与えることには慣れている。地位にふさわしく尊大に、年齢にふさわしく傲慢に、誰かになにかを与え、感謝されることは彼にとって日常の当然だった。
だが、彼は与えられることには慣れていない。
ほんの幼いころを除いて、彼になにかを与えようとする者などいなかったからだ。
この方は、とエリシュカは自分の隣に立つ高貴な男を見上げる。考えていたよりもずっと孤独に生きていらしたのかもしれない。あの王城で、閉じ込められていたあの部屋で、わたしが感じていたのと同じ――いえ、それよりももっとずっと深くて暗い――孤独の中に。
「アランさま」
エリシュカはなんだかたまらなくなって、ヴァレリーの長套の袖を掴んだ。
「そろそろまいりましょう」
だが、まだ、とヴァレリーは戸惑ったような眼差しでエリシュカとヴァイスを見比べた。
「まだ、ちゃんと礼が……」
「もう、十分だと思いますよ。ヴァイスさまもそうおっしゃるはずです」
そのとおりだ、とばかりにヴァイスが頷いた。若干面倒くさそうな表情をしているのは、すでにヴァレリーを持て余していたからだろう。
いや、とヴァレリーは食い下がった。
「ヴァイスは王太子の命を救ったのだ。平素であれば褒美でもなんでも、その思いのままに与えてしかるべきところだ。だが、いまのおれは……」
「いらないのです。必要ないのですよ、褒美など。ヴァイスさまがそんなものを欲してらっしゃるように見えますか」
ヴァレリーは戸惑うように何度も目を瞬かせた。
「なにも求めない相手に、無理になにかを与えることは褒美でもなんでもない。ただの侮辱です。アランさまだって、善意で手を差し延べた相手に不相応なお礼を差し出されたら、お怒りになるのではありませんか」
ヴァレリーは、それはそうだが、と言葉を失い、目を見開いた。ヴァイスが苦笑し、エリシュカ、と低い声で呼んだ。
「そこまで云わずともよい。私はそんなことで腹を立てたりしないし、こうして王太子に頭を下げられるのも悪い気分ではない」
だが、もう十分だよ、とヴァイスは云った。とても穏やかな声だった。
「ここには滅多に人が訪れない。おまえたちとも本当ならば会うことはなかったはずだ。私はひとりで生きるよう定められた身なのだ。誰かの気配が身近にあるのを感じるのは、とてもひさしぶりのことだった」
さすがに数百年ぶりとは云えないけれど、とヴァイスは思った。
彼が、冬の嵐に倒れたふたりを助けたのは、テネブラエの悲しみに心を打たれたせいもあったが、一番はマリアが眠る場所に死を招き入れたくなかったからである。神の傍らで永遠に生きる種族であったヴァイスの血は、本能的に死を穢れとみなして避けようとするのだ。
はじめのころのヴァイスは、そうやって自分で助けたにもかかわらず、ふたりのことを面倒な拾い物だと思っていた。素気ない態度は、人と接することに慣れていないせいではなく、どこかで彼らを疎ましいものと感じていたからだった。
「……悪くない。そう思った」
ヴァイスは緑輝石に瞳を和ませてふたりを見つめた。
「つかの間の休息を与えられたような気がした。私がおまえたちを救ったというのなら、そなたたちもまた私を助けてくれた」
相手のためになにをしてやることもできず、言葉をかけることもできない。誰かのことをどれほど大事に想っていたところで、所詮は他人同士である以上、どうしてやることもできないときはきっとある。けれど、そんなときもただそばにいるだけ、そのことがどれだけの救いになるかわからない。
騒々しい闖入者でしかなかったはずのヴァレリーとエリシュカは、いつしかヴァイスにとっても救いとなっていた。孤独に凍える魂を、刹那慰めるあたたかな救い。
「感謝をする、というのなら、それは私もなのだ」
「そう、なのか……?」
ああ、とヴァイスは頷き、朝焼けの消えた明灰色の空を見上げた。
「そろそろ行くがいい。日のあるうちにできる限りを進み、少しでも早く尾根道を抜けなければならないのだからな」
ヴァレリーとエリシュカもヴァイスと同じように空を見る。これから厳しい旅がはじまるとはとても思えないような穏やかな朝がそこにあった。
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