星々を追う者

神無月 リア

第一話 始まりのプロローグ

「やっとできたよ」


  あの日から何年たったか。やっとだよ、やっと……。


「何ができたのじゃ?」


 小さな女の子が装置を覗き込みながら訪ねる。


「タイムマシーンですよ……神様ステッキで叩くのやめてください」

「私はもう神ではない」

「俺達にとっては神様なんです」


 どれだけの過ちを犯しても力を失っても私達を守り続けてくれた、光であり続けてくれた、誰がなんと言おうと神様は神様なんです。


「それよりも見てください、神様と勇者が創り出したシステムを素に造ったんですよ」


 大袈裟に一回転しタイムマシンを見せびらかす。クラッカーでもあれば完璧なのにと思いながら笑顔見せた。

 

「ちなみに私物は全部ここに置いていきますからすきに使ってください」

「ほ、本当に良いのか漫画とゲームを貰っていくぞ、ついでにノートもだ」

「いるんなら全部持っていて良いですよ。ノートなんて何に使うんですか?」

「前にヌシが言ってた同人誌を描くのだ」


 相変わらず顔に出ますね。同人誌懐かしい響き。あの人は……てか元の喋り方に戻っていますしどんだけ嬉しいんですか、喜んでくれればそれでいですけど。


「じゃっ俺はもう行きますね」

「んっもう行くのか」

「まぁ又いつかアンジュ様の所に来る日がありましたら面白い話や本持ってきますね……では」

「うむ、待っておるぞヌシとの生活楽しかったぞ」


  待っておる、か……。

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