チビメタバトラー
しょもぺ
第1話
<時代背景>
第三次世界大戦勃発。
核兵器と細菌兵器の応酬によって主国3カ国の滅亡により世界は混沌と化す。
(一週間戦争と呼ぶ)この物語は、それから100年後の世界。
世界人口は10分の1にまで減少していたが、近年の爆発的出生率によって100年前の半分にまで回復。その背景には、偶然ではない政府の陰謀説が噂されていたが、人々は、やっともどった平和の前に、思考が停止してしまうのも、当然なのかもしれない……
子供たちの間で爆発的に人気のある玩具、『チビメタ』。
合金のボディにゴム製の手足にプラパーツでカスタマイズされた小さなロボット。
その小さな本体内部には、『サイコ・リアクション』を内蔵。操縦者の精神の叫びを感じ取って反応する。これを『シャウト・スピリット』と呼ぶ。
操縦者は精神のコントロールによって、まるで自分がチビメタに搭乗しているかのような錯覚に陥り、攻撃のダメージさえも肉体に直結して痛みを感じとるというシンクロ率なので、使い方によってはドローン以上の繊細で直感的な遠隔コントロールを行うことが出来る。その行き過ぎた性能ゆえに、軍事でも採用されているというが真相は定かではない。
物語の主人公: 『ホり・メタる』 メタボな小学生。
メタるは、小学生でありながらも、チビメタを操ることにより幾多のライバルと戦い、成長し、強くなっていく。しかし、皮肉にも、彼の強大な戦闘力は、世界の混沌へと招かれていくことに、彼はまだ知らない……
●第1話 『ハロー! チビメタ!』 の巻き
小学校のクラスではイジメられっ子の『ホり・メタる』は、やっとの思いで貯金したお金で、『チビメタ』を購入しようとおもちゃ屋へと走る。しかし、イジメっ子のドヤゴリラ(あだ名)にお金を取られて殴られてしまう。視力を失ったメタるは、ガールフレンドの『カシわぎ・ランら』に助けを求めるも、ふがいなさゆえに絶交されてしまう。意気消沈したメタるは、自殺しようとおもちゃ工場の廃墟に向かう。そこに、何者かがメタるの精神に話しかける。それこそが、チビメタのプロトタイプである『アルアリアレル』であった。アルアリアレルのサイコ・リアクションに、シャウト・スピリットをぶつけると、その憎悪に答えるかのようにアルアリアレルは復活したのだった。体中にみなぎる強大な力を感じ取ったメタるは、狂ったように笑い、工場は大爆発した。
●第2話 『アルアリアレルってなんなのさ?』 の巻
工場が大爆発した翌朝、小学校ではその話でもちきりだった。それは、工場の爆発以外にも、殺人事件が起きていたのだ。殺されたのはメタるの同じクラスのドヤゴリラだった。メタるの豹変した態度に違和感を感じた『カシわぎ・ランら』は、メタるを問い質す。「ドヤゴリラを殺したのはこのオレさ!」そう言って高らかに笑うメタるの表情は悪魔のようだった。クラスいちの秀才、『レつ・ベンぞー』は、メタルを不審に思って後をつける。そこには、チビメタを使って、街中を破壊するメタるの姿があった。ベンぞーは自分のチビメタでそれを止めさせようとするが、メタるのアルアリアレルには全く歯が立たず破壊され殺される。そして、総理大臣のいる国会を襲撃し殺人し、テレビ中継されている前で宣戦布告する。「オレが新しい独裁者だ!」、と。
チビメタバトラー しょもぺ @yamadagairu
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