灩瑠璃は走り続ける
=side:ラピス=
灩瑠璃は自分に自信が無い。うつむき、下を向いて歩いてきた自分には前を向く勇気が無いからだ。
灩瑠璃は人と話せない。世界の全てが恐ろしい彼女にとって、目の前の他人は得体の知れない怪物に等しいからだ。
灩瑠璃は友人が少ない。友人だと信じていたソレは、些細なきっかけでその悍ましい中身を露わにするかも知れないからだ。
けど。
それでも。
「よーし、先輩にも後押ししてもらいましたし私がんばっちゃいますよ!」
灩瑠璃は姉川百音を信じている。彼女の言葉は自分に自信と勇気を与えてくれる。
灩瑠璃は姉川百音を信じている。彼女はほとんど言葉を発さない自分の言いたいことを分かってくれたし、世界の全てから守ってもくれる。
灩瑠璃は姉川百音を信じている。彼女が友人として認めた人物であれば自分も信じられる。
だからこそ、虐められ閉じこもっていた灩瑠璃はもういない。彼女は前を向き、進み続けるのだ。大好きな彼女に少しでも追いつけるように。
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