霜を踏み躙るもの7

更新は止まると言ったな、あれは嘘だ! (突然の創作意欲)





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「なんでしょうここ」






「んー、強いて言うなら武器庫……? 少なくともただの洋館の標準装備ではないね」






「あ、ここは知ってるぞ。さっきこの弾丸タマ見つけたとこだ。そして俺の因縁の相手も待ってる」






因縁の相手? ……あぁ、もしかしなくてもア・レ・ですか。


部屋の中央にあるガラスケース。その中にはモンスタ初の……訂正、破損しておらず私作でないものとしては初の銃器が鎮座していました。






「見た目はただのガラスの癖に何しても壊れやがらねぇ。スキル使って攻撃してもスキルそのものが解除されやがる。クソが、俺とチャカの感動の再会を阻みやがって……!」






「そんな大袈裟な……それはそうとスキル解除ですか」






 「あ、私これと同じの聖教会セント・イグリーズで見ましたよ!」






「なんだと!? 教えろ、今すぐにだっ!」






「えっ、あっ、うぇっ、そのっ」






ラピスの言葉を聞いたチャッカマンさんが彼女に迫ったため、間に割って入ります。






「ちょ、ストップです、ストップ! ラピスは人見知りなんですからあんまり勢いよく迫らないで下さい」






私の知り合いということで話せてたみたいですが、ラピスはそもそも人見知りです。やっぱり勢いよく来られると戸惑ってしまうようですね。






「あっ、あー、それはすまなかった。ラピス、申し訳ない」






「あ、えっと大丈夫です……?」






「あーあ、ラピス怖がっちゃった~」






「やめろよお前ホント!? 俺そう言うの引きずるタイプなんだよ」






「あ、ホントに大丈夫です!」






うーん、ラピスも成長したなぁ……昔なら絶交案件でしたね。






「まぁ、気を付けてくださいね。で、ラピス、なんか分かることあるの?」






「教主さんがなんか言ってた気がします! けど忘れちゃいました!」






「じゃあしょうがないですね」






「しょうがないで済ますのか……」






妹がアレですから今更そんなことで一々突っ掛かるわけないでしょう。取り敢えずは何か思い出すかもしれないですし色々聞いてみますか。






「んー、何に使われてたの?」






「なんかよく分からないけどスゴいらしい塊を守ってるです! 神様のお肉? って言ってたと思います」






「他には?」






「守るためには仕方ないって言ってました。ひつよーあく? って」






神の肉……は置いておくとして必要悪ですか。何か不浄なものとか使ってるんでしょうか?






「……そういえば考察班が想いの力みたいなのがあるみたいなこと言ってたな。ピンチに力が覚醒! みたいなのが例が幾つか報告されてるらしい」






「想いの力? んー……」






やるって思うから出来る、みたいなことでしょうか? 想像力=創造力?






「つまり、『倒したい!』って思うからピンチに力がわいてくると」






「まあNPCばっかでPLでは数えるぐらいしか確認されてないらしいけどな」






「じゃあ嫌いだーっ! って言ったらいなくなるんですかね?」






……ん? 嫌い?






「それだっ、ラピス天才! 大好き!」






「うぇぇええ!? えっ、あっ、こ、心の準備が……!」






視界の端でラピスが何故か狼狽えてますが一旦おいておきます。






「想像力……というより欲望に世界が答えるなら「嫌いだ」っていう「否定」の欲望にも答えていいはずです」






「つまりこのガラスは否定の意志が込められたものだと?」






「恐らくは。とはいえこの事がわかったとしても解決手段に繋がる訳じゃないんですけどね。ここは後にしましょうか」






「……まぁ考察とはいえ原理が分かっただけ収穫だ。仕方ないが、ある程度の分別はあるつもりだ」






ということで武器庫を後にします。






「じゃあラピスも行こうか……あれ、何してるの?」






「……内なる自分と戦ってます。先に行っていただいても大丈夫です」






「……? わかった、先行ってるね」






部屋の隅で壁に向かって丸くなるラピスに首をかしげながら、私は部屋を後にしました。


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