第61話
「そんなことはどうでもいいだろ? チャカ出せよ。おら、持ってんだろ?」
「なんで急にカツアゲみたいになるんですか……」
「ジャンプしてみろよ」
いやそれで銃持ってるかは分からないでしょう……と、言いたいところですが、ホントに分かりそうなのがなんだかなぁ……。
というか、この人誰なんでしょうか? 会話するだけで疲労が溜まっていくんですが。
「おかしいな、日本で人に物を要求する時はこうする、って聞いたのに……おぉーい、嬢ちゃん聞いてる? チャカ見せてくれよ、チャカ。チャーカー! チャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカ……」
……。
「チャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカチャカ……」
「あー、もうっ! うっさいですよ、名前くらい名乗ったらどうなんですか!」
何なんですかこの人は!? 確かにさっき派手に反撃した時は「それでも突っかかってくる面白い人がいたらいいなぁ」とか思ってましたが、これはちょっと想定より5段階くらい上の変人なんですが!
……いや、この場合5段階下というべきなのでしょうか? まあ別にそんなことはどうでもいいですね、はい。
「おぉ、そうだったな! 俺はチャッカマン。チャカ見せてくれよろしくな!」
「自己紹介にサラッと欲望混ぜ込むのやめません? ……はぁ、私はコロナです。チャカってこれでいいんで
「Ohooooooooooooo!!!!!!!!!」
うわびっくりした。
手のひらにグロック擬きを生成して差し出したところ、チャッカマンさんは突然絶叫しました。目が血走っていて怖いです。あとツバが飛んでバッチい。
「Ooooooo@&☆$÷<〆○:°#!?」
なんて?
「Oh,oh,ohoooooooo
フォンッ
「あ」
いつまで経っても絶叫をやめる様子のないチャンさんが、唐突に目の前から消えます。はて?
「……あっ」
…なるほど、そういうことですか。
ひじょーに、ひじょーに信じ難いことではあるのですが、恐らくチャンさんが消えた理由は「強制ログアウト」です。原因は極度の興奮状態による血圧の急上昇といったところでしょうか?
「嵐のような人……というか最早嵐そのものでしたね」
いやぁ、なかなかいないですよ、あそこまでぶっ飛んだ人は。ちょっと驚きましたし、会話すると非常に疲れますが、今後もよろしくしてもいいかもしれません。面白そうですし。やっぱりボコして正解でしたね。
ああいう出会いがあるなら……
「また誰かズタボロにしたいなぁ……」
ザワッ
周りにいた野次馬が突然ザワザワし出すと、蜘蛛の子を散らすように解散しました。まぁ、チャンさんもいなくなりましたし幕引きだと分かったんでしょう。
そんなことよりも疲れました。すごく。
「……やるべきこともないですし、ログアウトしましょうか」
ちなみにチャッカマンは強制ログアウトしたのではなく、単純に死んでリス地に戻っただけです。死因? ……テクノ○レイク。
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