第57話





「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



「お姉ちゃん、大丈夫?」



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



「おーい……」



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



「ダメだこりゃ」



エイブラハム討伐の翌日。


寝不足と残暑の二重苦が私に襲いかかり、無意識に口から呻き声が漏れ出ます。十華が何か言っている気がしますが、反応する余裕がありません。



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



「これ、学校着いた時生きてるのかなぁ……」



「……おはよう」



「あ、加賀美先輩おはようございます」



後ろから舞香がやって来ました。それから十華と言葉を交わしていますが、理解しようとするのも億劫です。



「……百音は、朝からこんなの?」



「はい、ずっとゾンビ状態です」



「……エイブラハムに、憑かれたか」



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



あぁ、学校が遠い……。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


───学校にて───



「んー、じゃあ姉川。この問題解けー」



「(X,Y,Z)=(√3,2√2,-√5)です(あ"あ"あ"あ"あ"あ")」



呻き声を抑え外面を取り繕いつつ、久本先生が出すベクトルの問題に答えます。



「正解、相変わらず計算速いなー」



「…酷い、猫かぶり」



舞香が何か言ってますが無視です。

学校で不特定多数にあんな無様を晒すわけがないでしょう。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


───下校時───



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


───夕食時───



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



「お姉ちゃん、ご飯美味しくなくなるからそれやめて」



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


───入浴中───



「あ"あ"あ"あ"あ"あ"」



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


───翌朝───



「十華おはよう」



「あ、治ったんだ」



「いやぁ、やっぱり10時には寝ないと体力足りなくなっちゃうね」



今までは11時就寝にしていましたが、身体が持ちそうにありません。くぅ、体力不足が恨めしい。



「なんであんな時間にやったの?」



「日中は鷹之芸さんと爪上さんに仕事入ってたから」



そう考えると昨日の体調不良は彼らのせい……? そうですね、彼らに責任を……



「……2人に責任押し付けようとしてるでしょ? ダメだよ」



解せる。









放課後、モンスタにログインします。


昨日はログインできませんでしたし、今日こそログインしてリザルト確認といきましょう。



「えーっと、まずは……」



ステータス、ですかね? ポチっとな。






────────────────


PL名:コロナ(57)

Lv:20

種族:ショゴス(捕食:通常18特殊1)

所持トゥル:10031トゥル

職業:瀆神者

副業:王族

HP:911

MP:831

STR:95

CON:71

SIZ:99(10)

DEX:40(13)

APP:ー(21)

POW:81

AGI:40(15)

TEC:7(9)

VIT:7

LUK:ー(276)

※()内は人間時

スキル

・〈ショゴス〉

・〈経験値取得不可〉

・〈魔法取得不可〉

・〈清掃Lv歪〉

・〈相喰嘲身〉

・〈餓鬼哀々〉

・〈全食全身〉 New!


装備(人間時)

頭:白無垢の仮面

右手:叢雲

左手:無し

胴:アリエルの夜宴礼装

脚:アリエルの夜宴礼装

足:無し

アクセサリ:ヌトセ=カームブレのアミュレット


装備(真の姿)

・無し


称号

[初めての発狂]

[血縁喰らい]

[百万の恵まれたるものの継承候補]

[庭師のお気に入り]

[庭師との邂逅]

[初代ショゴスプレイヤー]

[狂気の体現者]

[アイドル]

[魔術師]

[色の支配者]

[外道]

[第1回イベント覇者]

[魔導図書館司書]

[狂気を飼い慣らすもの]

[白無垢の母]

[名状し難き誓約者]

[下克上]

[神に仇なすもの]

[ドッペル] New!

[魔弾の射手] New!

[悪食暴食] New!

[妄執の看取り手] New!

[願いの継承] New!

[死の淵に澱むもの] New!


────────────────





お、お、お……



「思ったより、マシです……」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る