ウイルスのせいで外に出られなくなったので仕方なく幼馴染と同棲します

がるふ

プロローグ


俺、氷室優也ひむろゆうやは平日であるにもかかわらず、自宅で一人学校から課された課題を進めていた。


俺は一人暮らしをしている。なぜかと言うと、俺が入学した桜本高校に実家から通うとなると往復3時間もかかる。交通の便もそれほどよくないので、それなら近くに部屋を借りてしまおうという両親からのありがたい提案に乗っかり、高校まで徒歩10分という好条件の家に住まわせてもらっている。


じゃあなぜ俺は平日なのに家にいるのかというと、とあるウイルスのせいで高校が休校になったからだ。


アイツらのせいで気軽に買い物にも行けないし、楽しみにしていたイベント等は延期、中止になった。


俺にとっては悪い影響しかない。「学校に行かなくていい!最高じゃねえか!」とかほざいている輩もいるが、そもそも俺は学校が好きだ。


友達こそ少ないが、それなりに楽しく学校生活を送れている。

勉強も、やればやるほど自分に力が付いてくる感覚が分かってからはとても好きだ。


今日だって、朝起きてご飯を食べた後勉強をしていたらあっという間に4時間ほど経っていた。それすらも俺の腹が鳴って教えてくれたのだが。


さすがに空腹には抗えないので、キッチンにインスタントラーメンを作りに向かう。

お世辞にも、俺は料理が上手いとは言えない。一度レシピを見ながらカレーに挑戦したことがあるのだが、それすらも焦がしてしまった。

その時以来、俺の食事はインスタントラーメン、コンビニ弁当、惣菜パンの三種の神器によって構成されている。


まもなくインスタントラーメンが完成した。


なんとなくテレビを付け、つまらないワイドショーを眺めながらラーメンを啜る。


──いつまでこんな状況が続くのだろうか。


ふと、そんなことを考えていた。

学校も無く、外にもまともに行けないような代わり映えしない、つまらない日常。


早く学校に行けるようになってほしい。

友達と他愛もない雑談で笑い合いたい。


──まあこんなことを考えたところで今の状況を変えられるわけでもないな。


いつの間にか食べ終わっていたラーメンの器を片付け、また課題に手を付け始めようとした。


ピンポーン──


通販を利用した覚えは無い。一体誰だ、こんなご時世に他人の家を尋ねてくるやつは。内心毒づきながら玄関に向かう。


この時、この来客が俺のつまらない日常を一変させるとは微塵も思わなかった──。






あとがき


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