斯くて語りて恐るる莫れ

@colaman

第1話 対人恐怖症



…コンビニまでの数分間が、僕にとってはまるでRPGのラストダンジョン並みの緊迫感を纏っている



ニートの僕は人と顔を合わせる事が怖くて仕方がない


コンビニの店員さんの顔すらまともに見られない



だけどそれを乗り越えなければ大好きなスマホゲームの課金カードが買えない…


だから勇気を出して僕は高鳴る心臓を抑え家を出た



道を歩く人々が皆暗殺者に見える…



みんなが僕を見ている


指を指して笑っている


あいつはニートだ。人間のゴミだ、屑だと罵っている



ーーーー気がする



「いらっしゃいませ」



漸くたどり着いたコンビニの店員さんの第一声に少し身体をビクッとさせたが、なんとか店内への侵入には成功した


恐る恐る課金カードをレジへ持っていくと、店員さんがこっちを見ている



「お前ニートの癖にゲームなんかすんの?」


ごめんなさいごめんなさい…許して下さい!!



だがそんな事…店員さんが言う筈は無かった



普通に金額を言っただけだ。全ては自分の被害妄想なのだ


でも確かにその声が脳裏に響くんだ


僕はかなり病んでるのかも知れない…



歌野 語 ウタノカタル  18歳



世間でいう所謂   対人恐怖症だーー


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