第164話 愛してる

 今日は、引っ越す予定のマンションが空いたという連絡を受けて事前に内見に来た。

 ハウスクリーニングをしてもらうことになっているので、引っ越すのはもう少し後にはなる。


 マンションの10階。東向きの2LDK。リビングがかなり広い。

 2人で暮らすには十分な広さだ。


 引っ越す予定は変わらないが、メジャーで測って家具の配置を検討。

 本棚を買い足す予定なので、サイズを考える。

 キッチンやバスルームなどの水回りの確認もする。


 そうこうしているうちに、日が傾きだいぶ暗くなってきた。

 リビングの外は、かなり開けていて眺めが良い。

 夜景が広がって来た。月も出ている。


 それを眺めていると、美月が側に来て言った。

「健司さん、素敵な部屋ですね。ここに住むのが楽しみになりました」


 健司は、それを聞きながら・・・・かなり緊張していた・・・


「美月・・・話があるんだ・・」

「え?なんですか?」

「まだ・・出会って一年たっていないから早いと思うかもしれないけど」


 ポケットから取り出したものを開けて見せる。

 そこには・・・指輪。指輪についた宝石がきらめいた。




「美月・・・結婚してください」

 



 美月は驚いた。

 とても、驚いた。

 だけど、返事は決まっている。


 涙ぐみながら返事した。


「うれしい・・・よろしくお願いします!」

 そう言って健司に抱きついた。


 窓の外には美しい満月が輝いていた。



----



 帰ってから、お祝いに乾杯をした。

 今日飲むのは・・


山梨県南アルプス市

ドメーヌ・ヒデ ”愛してる” 2020


 マスカットベリーAなのにキャンディ香は少ない。だが濃厚なフルーティ。コクのある味だ。

 8%と少しアルコール度数が低く飲みやすい。



「健司さん・・・これからもよろしくお願いしますね」

「こちらこそ・・美月。よろしくね」




◇◇◇◇◇◇◇

念のために

ドメーヌ・ヒデ 愛してる 2020

というワイン 本当にあるんですよ。

美味しいワインです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る