第152話 KIZAN WINERY キザンセレクション メルロ 2018
「おかえりなさ~い」
健司が帰ってくると、美月が迎えてくれる。
”あ~・・・これいいなぁ・・”
じ~ん、と玄関で感慨にふける。
台所からはいい香り。煮物のようだ・・・
といっても、美月が作れる煮ものと言ったら一つしかない。
「今日は肉じゃがですよ」
ニコニコと笑顔で告げてくる。
「うわぁ、美月の肉じゃがはおいしいから楽しみだ」
これは、ほめて欲しい顔だ・・・ということを察知。
手放しで褒める。
でないと、女性は不機嫌になるのは学習済み。
着替えをすまして、ワインを持って食卓に座る。
肉じゃがとご飯とみそ汁。
見た目も美味しそう。だんだんと料理の腕が上がっているようだ。
合わせるワインは・・
山梨県甲州市
機山洋酒工業株式会社
KIZAN WINERY キザンセレクション メルロ 2018
「香りがフルーティでいいですね」
「フルーティーな香りに対して、酸味とちょっと苦みがあるね。でも、牛肉の肉じゃがと合いそうだ」
肉じゃがを食べる。味が染みていて美味しい。
「うん、おいしい!ジャガイモによく味が染みているね」
「う~ん、ちょっとお肉が硬かったかな?」
美月はまだ不満らしい。
もともと、美月はおいしいものが好きで味にうるさい方だった。
だから、料理を覚えていくうちに上達が早くなっていくのであろう。
ただし・・・
おおざっぱさや、手抜きが好きなところを自制すれば・・・だが。
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