第140話 冬の旅行 大田原市で早めの昼食(カレー)

高速道路を北に向かう。

今日から1泊2日の旅行だ。

いつもの健司の車ではない。今日はレンタカー。

あらかじめ、スタットレスタイヤを装着したレンタカーを予約していたのだ。

なにしろ、関東とはいえ山間部では雪や凍結がある。

スタットレスタイヤは、必須である。

「今日も寒くなるようだね」

「雪は降るのでしょうか?」

「どうかなぁ、でも寒波が来てるそうだから降るかもしれないですね」

幸い、高速道路はすいている。


「ところで、今日はお昼ご飯は行きたいお店があるんですよ」

「へえ、どんなところなんですか?」

「この間、お世話になった先輩に会って思い出したんですが。

 先輩に教えてもらったカレー屋さんがあるんですよ。

 そこで、早めのお昼ご飯にしようと思っています」

朝ごはんはかなり軽めにしているので、お昼ご飯は早めでも問題ないだろう。

「へえ、カレー屋さんですか?那須にあるんですか?」

「那須の隣の大田原って言うところなんですが。かなりおいしいですよ」


おそらく、着くのは11時過ぎ。

ちょうどいい時間になっているはず。


那須塩原ICで高速を降りる。

結構道が広い。


「あ・・・看板に、”那須与一の里”って書いてありましたよ」

「なんでも、平家物語に出てくる那須与一はこのあたりの出身らしいですよ」

「あ・・それで、那須っていう苗字なのでしょうか?」

「たぶんそうなんでしょうね」

「へえ・・それにしても、ここから京都に行くのって当時大変だったんでしょうね」

「ほんと、そうですね」


市役所の近く。

2階建ての建物。その2階にカレー屋さんはある。

駐車場はちょっとわかりにくいが、建物の横を入った奥にある。


「ん?・・・変わった名前のお店ですね?」

「そうですね。でも味は保証しますよ」


階段を上がって右の扉を入る。

「いらっしゃいませ、お好きな席にどうぞ」

喫茶店風のお店。

奥の窓際の席に座る。

「いろいろな種類があるんですね、おすすめはあるんですか?」

「そうですね、唐揚げはおいしいんですが・・この後、ホテルでご馳走が待っていますからね。この、サグチキンカレーなんてどうですか?」

「これですか・・ほうれん草のカレーですか?じゃあ、これにします」

「ランチセットにしませんか?ラッシーも美味しいですよ」

「ラッシーですか?」

「ヨーグルトのドリンクです。あと、辛さはどうします?」

辛さは1番の甘口から7番の激辛まで、選べるようになっている。

「普通くらいってどれでしょう・・・?」

「じゃあ、3番くらいがいいでしょうね」

店員を呼んで、注文をする。

ちなみに健司は、親コッコカレーにしている。唐揚げとゆで卵が付いてくるのだ。

やがて、料理が運ばれてきた。

まずは、付け合わせ。それとサラダ。

その後にカレーが運ばれてきた。

「ほうれん草のカレーって、本当に緑色なんですね」

そして、緑色のルーをライスにかけ、スプーンですくって口に運ぶ。

「あ・・おいしいです!ほんのり野菜の甘みがあって、さっぱりしています」

「ここのカレーは玉ねぎがたくさん入っていて、その甘みがおいしいですよ」

健司のカレーは、通常のカレー色。だがこれも、甘みがあっておいしい。

唐揚げはボリュームがある。

そしてゆで卵・・・

「そのゆで卵、変わってますね?」

「そうでしょう。一つの卵なのに黄身が2つあるんです」

「そういうのもあるんですね!初めて見ました」


「このカレーほんと、おいしいですね。健司さんの先輩の方ってこちらが地元の方なんですか?」

「どうやらそうらしいですよ、以前に教えてもらってたまに来るようになったんです」

やがて、飲み物も運ばれてきた。

「この、ラッシーという飲み物も美味しいです。甘くてさっぱりしていて」

「えぇ。なのでいつもこれを頼んでいます」



「それで、この後すぐにホテルに行くんですか?」

「はい、今日は寒いのでホテルでゆっくりするのもいいと思いますよ」

「そうですね、あのホテルってお部屋でくつろげますものね」


カレー屋さんをでて、車に乗り込む。

向こうに見える山の上の方は雪で白くなっている。


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というわけで、旅行です。でも、すぐに終わる予定。


現実には不要不急の外出を控えるようにしてください。


今回は、ワイナリーは出しません。本当は紹介したいところもあったんですが・・

ホテルも現在は存在しない所なので、行こうとしても行けない場所です。


ちなみに上記のカレー屋さんは実在の場所ですが・・・他県から行くなら落ち着いてからにしてくださいね。

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