第113話 駒園ヴィンヤード Gomi Winery Tao Rouge betise d'ange 2018

今日は、瀬戸さんが来ることになっている。

夕食を何にしようか悩んだので、先にワインを選ぼう。


今日のワインは、これにしよう。

駒園ヴィンヤード Gomi Winery Tao Rouge betise d'ange 2018


単純に、ジャパン・ワイン・チャレンジで駒園ヴィンヤードが賞を取ったからである。

それにしても、あのワイナリーがね・・

先日、瀬戸さんと一緒に行ったワイナリーを思い浮かべる。

また行ってもいいな。あのアットホームな感じは嫌いではない。


さて、夕食を決めるためにちょっと味見しよう。

抜栓し、グラスにちょっとだけ注いで香りを嗅ぐ。

甘い香り。果実感も感じる。

口に含むと柔らかい酸と甘みが広がる。

まるで野原のようなほのぼのとしたワインだな・・


ううむ。これは悩ましい。


そうだなぁ・・・ロールキャベツなんかどうだろうか。

たしかひき肉もキャベツも冷蔵庫にあったな。


料理の準備をしながら、考え事をしてしまう。


来週の日曜日に、瀬戸さんの家に訪問することになってしまった。

さて。ご両親にどう挨拶しよう・・・


まだ、結婚の報告のつもりはないので、どう話せばいいのか。

”結婚を前提にお付き合いさせていただいております、早乙女健司と申します。”


ん・・・?

結婚を前提でいいのか?  結婚を前提にしてたか?

結婚を前提でいいのか、俺?

瀬戸さんは結婚を前提で考えているのか?


今日は、早乙女の家で瀬戸家訪問前の作戦会議の予定なのである。

早乙女にとっても初めての経験。

しかも正式に交際をするとなってから一か月もたっていない。

かなり、緊張と混乱をしているのであった。

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