第97話鍛錬

「う、美味い!」


「初めて食べる味です!ですが美味しい!」


ロイとカイルがあまりの美味しさに驚いていると


「おいしい~」


ローズが頬を押さえて悶える!


「なんですかこれ!王都ではこんな美味しい果実がなってるんですね~」


ローズが感心していると


「いや、我々も初めて見て食べたよ」


「そうなんですか?でもこれケーキにしても美味しそうですね!」


「ああ楽しみだな!」


「出来たら味見させてくれよ!」


ロイが頼むと


「それは駄目ですよ。お茶会を楽しみにしていて下さいね」


ローズはふたりに笑いかけた。


暗くなる前にとローズ達は屋敷へと戻るとクレアさんが心配そうに待ち構えていた。


「お帰りなさいませ」


三人の元気そうな顔を見てほっとしながら笑って迎えいれた。


「ただいま戻りました!」


ローズがクレアさんに駆け寄ると


「そのお顔はお目当ての物は手に入ったようですね」


「はい!バルトとロイ様、カイル様のおかげで美味しい果実が手に入りました!明日早速ケーキを作ってみます!」


「それはよかった…では今日はおつかれでしょうからゆっくり休んで下さい。ロイ様とカイル様もお疲れ様でした」


「いい息抜きになったよ」


「ああ、楽しかったよ」


ロイ達がローズに笑いかけると


「それとスチュアートさんから伝言です。明日の朝一番に鍛錬場で待っているそうなので来るようにと言っておりましたよ」


「「げっ!」」


「まぁ!お二人共そのような言葉遣いはいけませんよ!」


「す、すみません…しかし朝一とは…」


「スチュアートさんの朝は早いからなぁ…」


はぁ…とため息をつくと


「いいなぁ…」


ローズが思わずつぶやく。


「はっ?」


ロイがまじかとローズを見ると


「私も参加したいなぁ…剣舞の練習もしたいし…」


「それいいな!ローズも来いよ。男の格好をしてりゃ気づかれないだろ!」


ロイがこいこいと誘うと


「お、おいロイ!勝手な事をしてまた怒られるぞ」


「馬鹿!よく考えろよ!スチュアートさんだってローズがいればいつもみたいに鬼のようにしごかないだろ!しかも今回嫌に根に持ってるからな…」


ロイはローズに聞こえないよようにカイルの肩組むとコソッと話す。


「た、確かに…」


カイルが迷っていると


「そ・れ・に!ローズが行きたいって言ってるんだ。スチュアートさんだって断らないだろ?」


「それもそうだな…」


カイルも納得して頷くと…


「よし!決まりだな!明日ローズも朝練に来いよ!朝一なら他の兵士達もほとんどいないし大丈夫だろ」


「いいんですか!」


ローズがぱぁー!と顔を輝かせるが…ハッと気が付きクレアさんを見る…


クレアさんは仕方なさそうに笑って頷いた。

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