第88話休憩

「ローズ様!その腕は!」


クレアさんが心配そうにローズの腕を確認するが怪我をした様子は無かった…


「あれ?服はボロボロなのにローズ様痛いところは?」


「ありませんよ、全然大丈夫です!」


ボロボロの服ををまくって腕を見せる!


「ならよかったです、また怪我でもしたのかと思いましたよ…」


クレアさんが怪我の無い様子にホッとすると


「怪我してたら…」


どうなってたのかな?と思い聞いてみると


「それはもちろん…」


クレアさんはそのあとの言葉は発せずただ笑っていた…。



「ローズ…お前の周りは怖いやつらばっかりだな…」


バルトがボソッとつぶやくと


「怒ると…怖いけどみんな私の為を思ってくれてるからね、バルトの事もだよ」


「ふーん…」


バルトは満更でもない返事をすると恥ずかしそうに丸くなる。


ローズはクレアさんとドレスに着替えて戻ってくると…


「ローズベリーが少ししか集められなかったんですよね…これじゃあケーキは作れないですよね…」


ローズは取ってきたベリーをクレアさんに見せる。


「そうですね…ちょっと数が足りないですね…もう少しローズベリー採ってきますか?」


クレアが聞くとローズは首を振って…


「もうあの場所のローズベリーはほぼ採ってきてしまったので…他になにかケーキの材料になりそうなもの無いかなぁ…」


「美味い果実が生えてる場所…知ってるぞ」


バルトが困っているローズ達にボソッと声をかけると


「本当に!」


「まぁ猫ちゃんそれはどこですか?」


ローズとクレアさんがバルトに詰め寄る!


「猫ちゃん…って…俺はバルトだ!」


「あら、すみませんバルトさん…可愛らしい姿につい…それでどこですか?ケーキの材料になりそうですか?」


「そりゃ知らんがローズベリーより甘くて少し酸味もある俺のお気に入りの食べ物だ…まぁお前が作ったケーキも美味かったが…」


バルトがクレアさんをチラッと見ると


「それはありがとうございます、またお作りしますね」


「本当か!」


「ええ」


「な、ならそこまで案内してやる」


「じゃあスチュアートさんが戻ってきたら行きましょう!」


ローズ達はスチュアートの帰りを待っていたが中々戻って来る気配が無い…


三人でのんびりとお茶を飲んでいると


トントン…


扉をノックする音がする。


「あっ!帰って来ましたかね!」


ローズが立ち上がると、クレアさんが扉を開けに行く…ローズもクレアさんの後ろをついて行くと…


扉を開けた途端に…


「おかえりなさい!」


ローズが笑顔で迎え入れた!

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