貧乏領主の娘は王都でみんなを幸せにします
三園 七詩【ほっといて下さい】書籍化 5
第81話追手
「ほら!ここです!」
ローズはローズベリーかたわわに実る場所にスチュアートとバルトを案内する!
「本当にあったな…」
「ローズ様、本当に鼻がよろしいみたいで…」
「へへへ…」
ローズが嬉しそうに頭をかくと
「たくさん採ってローズベリータルト作りましょうね!」
ローズは夢中で籠いっぱいにローズベリー集めていると…バルトの耳がピクンと反応する。
バルトはローズを見るが気がついている様子は無い
バルトはチラッとスチュアートを見ると同じように目が合った。
バルトはローズから少し離れてスチュアートのそばによると…
「おい…気がついたか?」
「はい…見られているようですね」
スチュアートが頷く。
「俺か?ローズか?」
「ローズ様は今は男装をしていますので…バルトさんかと…」
「そうか…じゃあ俺はここまでだな…世話になったな、ローズによろしく言っといてくれ」
バルトがローズ達から離れ、反対の方向に歩き出すと
「どこに行く気ですか?」
スチュアートがバルトの後ろ姿に声をかける。
「きっとこの前のハンター達だろう…狙われているのは俺だけだ、お前やローズに迷惑はかけん」
「今更何を…」
スチュアートが笑うと
「そんな事も込で私もローズ様もバルトさんといる事を選んだのですよそれをバルトさんが逃げるのですか?」
「逃げる…だと、違うお前らには関係の無いことだからだ!」
バルトはスチュアートを睨むと気配がする方へと走り出した!
「あっ…全くペットは飼い主に似ると言いますが…まだ会って数日なのに…これは類は友を呼ぶってところでしょうかね」
スチュアートは苦笑しながらそっくりな飼い主を見つめて微笑んだ…。
「ローズ様、お忙しいところちょっとよろしいですか?」
スチュアートが話しかけると
「ん?なんですか?」
ローズは手は実を掴みながらスチュアートを見ると
「実はバルトさんがはぐれてしまいまして…私が探して来ますのでローズ様はクレアさんの元に戻って頂きたいのですが」
「えっ!バルトが!」
ローズはガバッと立ち上がる!
「それは大変です!こんな広いところで!私も探します!」
「いえ、ローズ様は何かあっては大変ですから…お戻り下さい。もうローズベリーも十分ですよね?」
「それは大丈夫ですが…」
ローズが何か言いたそうにすると
「では行きましょう」
スチュアートはローズが持っていた籠を掴むと屋敷の方へとローズを連れていった…
建物が見えてくると
「では、ローズ様はここからちゃんと戻って下さいね!」
スチュアートがローズを見つめると
「はい…」
「大丈夫ですよ、バルトさんをちゃんと見つけて連れ帰って来ますからね」
スチュアートは心配そうに見つめるローズの頭を優しく撫でた。
「お願い…します」
ローズはスチュアートから籠を受け取るとギュッと抱きしめる…
スチュアートはではと森の中に入り姿を消してしまった…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます