インタールード

約束された未来の失業

「あっついなあ……」



 近くのコンビニから出てきた香苗は、パタパタと手で顔をあおいだ。

 8月の真夏日は暑さまっさかりで、夜になっても30度を下回ることはない。

 外にいるだけでじわじわと汗が噴き出てきて、体力が失われていくのがわかる。早くアパートに帰って涼みたい。


 今食べちゃおうかな……とビニール袋の中の先ほど買ったばかりのアイスをちらりと見るが、やっぱりやめる。

 中に入ったアイスは3人分。2人分は最近できた友人たちの分だ。やっぱりこういうのは友達と食べた方がうまい。


 あいつらいつも金欠だし、こういったおやつを買う余裕もなさそうだからきっと喜ぶだろう。

 やっぱり年長者としてガキどもの面倒は見てやらねーとな。


 そんなことを思いながらおんぼろアパートに戻ってきた香苗は、目を丸くした。

 メイドやら黒服やら、普段このあたりでは見ない服装の人間がアパートの周囲や廊下をうろうろしていたのである。いや、普段どころか日常でも見ねえよ。

 しかも彼らがたむろしているのは、香苗の部屋の隣室。何やらしゃがみこんで妙な機材を動かしている者もいる。これはただ事ではない。


 香苗は眉をひそめると、自分の部屋のドアの前に陣取っているメイドに声を掛けた。途中じろじろと不審者を見る目で他のメイドや黒服たちが睨んでくるが、気にしない。



「あの、すみません。そこあたしの部屋なんですけど」


「あっ……ごめんなさい」



 しゃがみこんで何やら機材を操作していたメイドは、肩を跳ねさせると機材ごと動いて場所を作る。

 そんな彼女に、香苗はなんでもないように話しかけた。



「なんか仰々しいですね。隣の部屋で何か事件でも?」


「いえ、なんでもないんですよ。事件とかじゃないです。どうぞおかまいなく」


「そうですか」



 お前らの存在自体が事件だろーが。

 香苗はそう言いたいのを我慢して、顎をさする。

 築50年を超えるオンボロアパートはロクに入居者もおらず、自分と友人2人くらいしか住んでいないはずだ。ちょっとくらい騒いでもまあ問題ないだろう。



「ところであたし、その部屋に住んでる男の子の友達なんですけど何があったんです?」


「え? えっと……」


「ちょっと通りますよ」


「あ! だ、駄目です! 今大事な話の最中なんです!!」



 香苗がずかずかと隣の部屋に近付くと、メイドや黒服たちが一斉に制止しようと声を上げる。



「後にしてもらえませんか、今こっちは立て込んでいて……」


「そうです、部外者は立ち入り禁止です!」


「うるせえッ!! 大学1年のガキの家に大人が寄ってたかって詰めかけやがって、何の相談だッッ!!」



 それに一喝して、香苗はドアへと突進する。



「虎太郎ッ!! 無事かッ!?」




※※※※※※




 現状理解のためにゲームを始めてからの思い出話をしていた虎太郎は、突然部屋に押し入ってきた女性を見て目を丸くした。


 なにしろメイドや黒服たちがしがみついて止めようとしているのを、無理やり引きずって部屋に侵入しようとしている。まるでアメフトのスクラムのような光景だった。

 着ているのはパンクバンドの黒Tシャツにジーンズというラフな格好だが、こんな服じゃなければボロボロになっているだろう。実際Tシャツの生地はメイドたちによってたかって掴まれ、伸びきっていた。



「香苗さん、何やってるの!?」


「何やってるはこっちのセリフだアホ! お前とうとうリアルでまで厄介ごと引き寄せやがったのか!」


「身に覚えがなくて困ってるんだけど……」


「ないのはお前だけだろうな! ……っと、鈴夏もいるのか」


「ひゃい」



 この暑いのに虎太郎の左隣にぴったり寄り添うように座っていた鈴夏が、香苗の鋭い視線を受けてびくっとしながら生返事をした。

 ちなみに虎太郎の右隣で腕を取って、巨乳に腕を差し込ませるようにべたべたしているのは桜ヶ丘さくらがおか詩乃うたのである。


 なれなれしい詩乃に誰だコイツと言わんばかりの視線を向けながら、ひとまず香苗はほっと息を吐いた。



「鈴夏がまだ大人しく座ってるんなら、拉致とか誘拐とかって話じゃないみたいだな」


「そんなことしないわよ、失礼な! ……えっ、待って。この子拉致とか誘拐されそうになったらどうなるの?」


「暴れる」


「全員ボコボコにして川に捨てる」



 天音の疑問に真顔で返す虎太郎と香苗。

 ひえっ……と座ったまま距離を取ろうとする天音の盾になるように、メイド隊がさっとその間に割って入ろうとする。



「そ、そんなことしません! ……山に埋めます」


「証拠隠滅は無理なんじゃないかなあ、この人なんか偉いっぽいし」


「さらっとこの世から消す前提で話さないでくれる!?」



 もじもじしながら物騒なことを言う鈴夏に、ドン引きする天音である。

 しかしあからさまに怯えた様子を見せるのはまずいと判断したのか、すぐに咳払いすると虚勢を張って新たな乱入者を見据えた。



「それで? いきなり割って入った貴方はどちら様かしら。今、私は大国君と大事な話をしているのだけど」


「大事な話? このガキにか? なんだそりゃ」



 詐欺や宗教の勧誘の類か、と香苗は表情を硬くする。

 ちなみにずっと出てきてないから多分みんな忘れていると思うが、大国とは虎太郎の名字だ。



「企業秘密に関わることだから部外者には言えないわ。大国君とどんな関係かは知らないけど、ただの友達なら出直してくれる?」


「なんかこの人【トリニティ】のペンデュラムで、僕を専属パイロットとしてスカウトしたいんだって」


「あっ、こらっ!」



 早速バラす虎太郎に、天音が声を上げる。秘密保持なんて絶対できないこのガキを身内にして本当にいいんですか?


 虎太郎の告げ口を聞いた香苗は、ふーんと眉を寄せた。



「パイロットを専属スカウトしたいって割には随分仰々しい人数で押しかけてきてるじゃねえか。もしかして鈴夏がいなけりゃ本当に拉致するつもりだったんじゃねーの?」


「えっ、やっぱり拉致なんですか? この人たちやっつけていいんですか?」



 据わった目で見てくる鈴夏に、天音と詩乃は違う違うと手をわたつかせた。



「ち、違うわよ! 私は外出するときはいつも護衛や使用人を連れてるだけ!」


「……そうですね! 私もそんな感じです!!」



 日本最大の企業体・五島重工の次期頭首候補である天音は正真正銘のVIPだ。誘拐の可能性を考えれば護衛を連れ歩いていて何の不思議もない。

 だけどただの零細町工場の娘でしかない詩乃が部下連れてきてる理由はなんだよオラァ。


 しかしこの場には詩乃のことをよく知ってる人間がいなかったのでその点はスルーされた。鈴夏さんこの人です。


 香苗はふーんと腕組みして、どっかと鈴夏の隣に腰を下ろした。



「まあ【トリニティ】の幹部なら護衛を連れてても不思議じゃねーな。で? このガキに何で目を付けたんだ?」


「いやいやいや……普通に当事者みたいな顔して入ってこないでくれる? というか狭いわねこの部屋!!」



 ただでさえ狭苦しい六畳間にVRポッドやらちゃぶ台やらベッドやら置かれていて、虎太郎・天音・鈴夏・詩乃・香苗の5人で座ればそりゃ狭い。しかも鈴夏や香苗を警戒して廊下に立っているメイド隊と黒服までいる。



「そういやアイス買ってきたけどお前ら食べる?」


「わー! 食べる食べる! アッシュありがとう!」


「ありがとうございます、香苗さん」



 香苗が虎太郎と鈴夏にアイスを差し出すと、欠食児童の2人は喜んで飛びついた。

 水滴で契約書が濡れるのを恐れて、慌てて天音と詩乃が契約書をちゃぶ台の上からどかす。そうしながら、天音はぴくっと眉を動かした。



「……アッシュですって? 【氷獄狼フェンリル】の?」


「元、だ。もうあたしは【氷獄狼】とは関係ねえ。つーか虎太郎、お前他人のハンドルをリアルで口にするんじゃねえよ」


「うん、ごめんね?」


「うっ……! 許す!」



 プラスチック容器からちゅーちゅー吸い取るタイプのアイスを口にした虎太郎が謝ると、頬を赤らめながら頷いた。ついでに関係ない鈴夏が心臓を押さえてちゃぶ台に突っ伏していた。

 リスのような愛らしさがショタコンにダイレクトハートアタック! 仮にも大学生にもなった男として本当にそれでいいのか。



「まさかアッシュとシャインがリアルで友達だったとは思わなかったわね。というかいつからつるんでたの?」


「んー、リアルで知り合ったのはほんのちょっと前だよ?」


「もしかして、あたしがシャインにわざと負けてこいつを引き立てたとでも思ってんのか? ナメんなよ。言っとくが、このガキの強さは本物だからな」


「そうです! 私の師匠は最強ですよ!!」



 突発性心臓発作から復帰した鈴夏までが、イキイキとした表情で尻馬に乗ってくる。



「いえ、その点は疑ってないわ。なるほど、アッシュか……女性だったとは驚いたわね」


「お前が言うなよ……あんな俺様系のくせにリアルではお嬢様とか、こっちもびっくりするわ」


「まあ、そうね。……それで? なんでそのアッシュさんがこの席に居座ろうとしているわけ? さっきも言ったけど、部外者は出て行ってほしいんだけど」



 改めて冷たい目で香苗を見据える天音。

 海千山千の企業幹部ですら怯ませるその視線を受けて、香苗は胸を張った。



「あたしは……こいつの、虎太郎の保護者だッ!!」


「保護者ッ!? 親なの!?」



 突然の爆弾発言に動揺する天音。

 その動揺が伝染したように、あわあわと香苗は頬を赤らめた。



「い、いや別に血縁とかじゃなくてな。こいつも地方から一人で出てきてるし、いろいろと危なっかしいからだな。隣に住む社会人として悪い大人に騙されないように見守ってやるというかだな!」


「そうです、香苗さんはいい大人です! 私もお世話になってます!」


「うん、香苗さんはお姉ちゃんみたいに優しくていい人だよ」



 主に食費関係で助けてもらっている鈴夏と虎太郎も香苗を弁護する。

 ええーでも年端もいかない男子大学生に執着する成人女性って悪い大人じゃないんでござるかぁ?


 香苗はごほんと咳払いすると、虎太郎に目を向けた。



「まあこいつも未成年だからな! 将来を左右するような大事な話とあっちゃなおのこと、一人で決めさせるわけにはいかねえ。あたしもこの席にいさせてもらう」


「な、なるほど。保護者がわりというわけね」



 あーびっくりした、という顔で天音が胸を押さえる。

 そんななか、詩乃がこきゅと小首を傾げて疑問を口にした。



「でも社会人っていうからには、きちんとした職をお持ちなんでしょう? このアパート、どう見てもお金のない学生が住む物件のような。香苗さんでしたっけ? あなたは何をなさってる方なんですか?」


「……今は無職だ」



 言いにくそうに顔を曇らせる香苗に、プギャーッとばかりに詩乃は笑みを浮かべた。



「無職ぅ? こんな場所に住んでる無職が社会人なんてよく名乗れますねぇ。恥ずかしくないんですかぁ?」


「う、うるせえッ! つい先日まではOLだったし、マンションに住んでたんだよッ!! 今でも別に貯えがないわけでもないしッ……」


「へえー。それがこんなボロアパートに都落ちですかぁ。あははっ、嘘乙でーす」


「嘘じゃねえッ! なんだこの煽りメスガキ、リアルシャインか!?」



 ニヤニヤ笑いを浮かべる詩乃に掴みかからんばかりの香苗。ゲームの中なら速攻で撃墜しようと飛びかかるところだが、香苗もリアルでは社会人としての常識を身に付けていた。

 そんな香苗の言葉に、ショックを受けたように虎太郎が悲鳴を上げる。



「僕こんなのじゃないでしょ!? さすがにここまで失礼じゃないよ!!」


「えっ師匠はこんなものですよ」


「嘘でしょ自覚がないの?」


「お前だけは言えた口じゃねえわ」


「つくづく魂がメスガキなんですねぇ」



 真顔の女性4人に口々に否定され、虎太郎はむぐぐとうなりながらアイスの容器をちゅーちゅーした。ショわいい(ショタかわいいの略)。



「というかペンデュラムはともかく、お前は誰だよ!」



 香苗が半目で指摘すると、詩乃は大きな胸をぐいっと反らせて自信たっぷりに名のった。



「私は桜ヶ丘詩乃! 今AI業界で絶賛話題の“桜ヶ丘AI工房”の代表を務める、天才美少女CEOです!」


「【桜庭組サクラバファミリア】のゴクドーだよ」



 ついでのように虎太郎が補足するなか、香苗は愕然としたように呟き返す。



「桜ヶ丘……AI工房……?」


「おっと? ご存じでしたか! まあニュースになりましたしね、新聞にも載りましたしね! まあ無職の方にも私の名が知れ渡っているのも当然っていうかぁ!」


 私完全に調子に乗ってます! という顔で詩乃がでっけえ胸を反らす。

 その直後、香苗が憤怒の表情で詩乃の胸ぐらをつかんで飛びかかった。



「てめえええええええッ!!」


「きゃあああっ!? な、なんですかっ!?」


「香苗さん!? どうしたの!?」


「な、何があったのか知りませんが暴力はいけませんよ!」



 周囲のメンツが慌てて止めようとする中、香苗はがるると叫ぶ。

 GカップとHカップの巨乳がぐにゅぐにゅと歪む。



「てめえのせいであたしは失業したんだぞ!? ここで遭ったが百年目だ、この“パビリオン潰し”が!!」


「へっ……あ、あの……もしかしてパビリオン関係者の方……?」



 詩乃がさあーっと顔を青ざめさせる。

 止めようとしていた天音が、それを聞いて眉をひそめた。



「パビリオン……AI……? 桜ヶ丘……ああっ! 思い出した! 貴方、来月に開催されるはずだった五島ウチ主催のパビリオンをぶっ壊した零細メーカーの代表じゃない!」


「気付くの遅いぃ……」



 ついさっき自己紹介されていたのに、今になってようやく気付いた天音が詩乃の顔を見て指をさす。廊下に立つシロが主人のポンコツぶりに額を抱えていた。


 自分が直接関わる事業ではないにせよ、自社に大打撃を与えたメーカーをすっかり失念して聞いたことないと口走ってたあたり記憶力はダメダメである。



「私のせいじゃないですよぉ! 別にパビリオン潰れちゃえーって思ったわけでもないですし! たまたま私が超天才美少女で、パビリオンの発表をかるーく上回っちゃっただけじゃないですかっ! とっとと自分たちの技術を発表しなかった無能なおばかさんたちが悪いんです!」


「そりゃそうだが、なんか言い回しが腹立つなコイツ!?」



 香苗の下でじたばたと暴れる詩乃が、そっぽを向いてアイスをチューチューしていた虎太郎に助けを求める。ぐにゅぐにゅと形を変える巨乳は童貞には目の毒すぎた。



「センパイ! 助けてくださいよぉ! センパイも当事者じゃないですか!」


「僕を巻き込まないでくれる!?」


「センパイだって『目の前の障害なんか踏み潰せ!』って煽ったじゃないですか!? 2人の愛の共同作業で手に入れた業績ですよぉ!!」


「師匠……?」



 目をブラックホールのように真っ黒にした鈴夏が、ギリギリと首を回して虎太郎の顔を覗き込もうとする。



「や、やめてくださいよ鈴夏先輩……。っていうか鈴夏先輩もあのとき一緒にいましたよね! それに僕が手助けしたのはあくまでもゴクドーであって、この生意気そうな女子高生じゃないし……」


「はー!? アバターが雄臭くないからって邪険にするんですか!? センパイって女の子よりむさくるしい男の方がいいんですか!?」


「んだと!? おい、虎太郎に鈴夏! お前らあたしをハメたのか!?」


「えっ、待ってください香苗さん誤解です! 私たち香苗さんが関わってるなんて知らなくて……」


「というかなんで僕が男好きだって判断したんだ!?」



 わいのわいのと事態がカオスを極めつつある中、凛とした声が響き渡った。



「鎮まれーーーーーッ!!!」



 不思議とよく通る一喝に、床で揉み合っている香苗と詩乃をはじめとする4人がぴたりと動きを止めて、声の主に視線を向けた。

 腰に手を置いた天音は、断固とした口調で続ける。



「静かになさい! 今はもう夜ですよ! 近隣の住民に迷惑でしょう! 貴方がたに落ち着き、静粛に過ごすことを命じます!」



 命じます、という響きに虎太郎と香苗がムッとした顔になる。



「命じますって……天翔院さんに何の権限があるんです?」


「権限? 強いて言うならオーナー権限です」



 天音が指を鳴らすと、背後に控えていたシロが鞄から書類を取り出した。

 それを受け取った天音が、一同に見えるように書類を掲げる。



「……このアパートの土地と物件の権利書じゃねえか……」



 目を疑うような香苗の呟きに、天音は頷く。



「そうです。私がこのアパートを買い取りました。オーナーとして、店子の皆さんには夜を静かに過ごすように要求する権利があります」


「従えないなら……?」


「今から身ひとつで夜の街にほっぽり出されたいの?」



 淡々と告げる天音に、このアパートに暮らす虎太郎・鈴夏・香苗は静かになる。

 その隙に香苗の下から出てきた詩乃がほっと安堵の息を吐き、乱れた髪を整えた。そんな詩乃に天音が言葉を投げ付ける。



「貴方もよ、桜ヶ丘さん。物件への不法侵入者扱いされたくなかったら大人しくしなさい。少なくとも余計な挑発とかしないように」


「はーい。えへへ、もちろんですよぉ。いやー五島のお嬢様は懐が深いなぁ」


「言っておくけど、貴方がウチの事業台無しにしたことも、【トリニティ】のシマを荒らしてることも許したわけじゃないわよ?」



 揉み手せんばかりに権力にすり寄ろうとしていた詩乃が、笑顔のままちぇっと舌打ちした。



「良い性格してんなぁこいつ……」


「いやー零細なもので、生き残りに必死なんですよぉ」



 呆れる香苗に、にこにこと笑い返す詩乃。先ほどまで揉み合っていた相手を前にしてこの度胸である。

 煽り癖を抜きにすれば、見た目にそぐわず肝が据わっていた。


 そんな2人に視線を向けながら、天音が虎太郎に促す。



「さ、話の続きをしましょう。大国君は桜ヶ丘さんとどうやって知り合ったの?」


「あたしも興味があるな。あたしが仕事で忙殺されてる間、お前と鈴夏はどんな冒険してたんだよ」


「きゃーっ! ついに私とセンパイの愛のメモリーが語られちゃうんですね!」


「私もいましたけど?」



 4人の女性に見つめられることにドキドキしながら、虎太郎は今に至るまでの1か月の思い出を語り始める。



「ことの起こりは、僕が師匠と再会して負けたことだったんだ……」


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次話より第三章スタートです。

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