幼馴染に振られた俺 〜何故か知らないがそれから色々な女子にモテ始めた〜

第１章 美香と俺

噛み合わない恋

第1話 幼馴染に振られた男

全く興味無いヤツもいるかも知れないがそれなりには語らせてくれ。

俺の名前は千草花奏（チグサカナデ）という。

１６歳の平凡な男子高校生だ。

顔はそれなりの髪の毛短髪。

まあ何というか一言で言えば陰口言われるボッチである。

身長１７２センチの身長も微妙な感じ。

この学校が体育系なのもあってそれは意味が無いと言われる。

身長の成長が止まってしまった。

これが限界ってやつなのだろうか。

俺は考えながら盛大に溜息を吐く日々を過ごしている。

全体的に言うならそうだな。

勉強出来ないガリ勉と言える。

いやそれって先ずガリ勉と呼ばねぇだろ、とツッコミをあちこちの今まで会った人間から頂くが.....まさにその通りだ。

俺はガリ勉じゃない。

勉強もそこそこなので。

でも容姿はそんな感じと覚えておいてくれたら嬉しい。

何ならそこら辺のガリ勉石と呼んでくれて構わない。

路傍の石ならぬ。

そんな俺だが周りの奴らに、千草（ちぐさ）を、乳房（ちぶさ）、と陰口をぶっ叩かれている。

こそこそと全く。

そんな陰口を片っ端から叩き潰してもしぶとい奴らだ、と思う。

ゴキかお前らは。

そもそも何でチブサなんだよ。

俺の名前は千草という正式名称の名前が.....ってかまあ。

そんな苗字なのも良い加減にして欲しい。

でもなどうあれ。

チブサは無い。

勘弁してくれよ本当に。

陰口の度合いを超えている。

小っ恥ずかしいにも程が有るしな。

迷惑を考えてほしい。

名前を決めた大名だか侍だから何だか知らんがそういう奴らに。

思いながら俺は溜息をまた吐く。

申し訳無いけどその様な名字考えた奴らに関しては俺にみんな土下座しろ。

今直ぐに。

本当に困っているので勘弁してほしい。

まるで変態野郎みたいじゃないか。

因みに俺のスペックだがそんな感じだが唯一。

他の男子達と違うスペックが有ると思っている。

一個だけ、だが。

それはとても自慢出来るスペックだと思う。

こういうスペックだ。

幼稚園の頃から一緒に２人居る女子の幼馴染の片方。

物凄い可愛い顔立ちの、加瀬馬美香（カセバミカ）、という女の子が俺の側に居るのである。

美香を外したら俺のスペックってただのモブでしかも消しカス以下の何もかものスペックが０に近いと思う。

いやそれってゴミ屑じゃ無いか？

ノリツッコミかよ。

美香は顔立ちは相当に整っている美少女で有り。

更には長い茶髪の地毛で真白な肌に細い茶色の眉毛の柔和な表情。

長い茶髪という問題が有るかも知れない色なのに全くインパクトは無く逆に優しさが有る、学校一の美少女と言える。

学校１の性格と言える。

俺に美香は嫌がらずにずっと接して来てくれている。

バレーボール部の選手に抜擢されて以降も、だ。

その少女の事が俺は幼稚園の頃から好きだ。

何と言うか.....幾ら何でも期待しすぎかも知れないが美香には俺の事が好きで.....あってほしい、とそう強く思う。

それって最大の勝ち組だしな。

それに.....。

そんな美香と共に歩んできた何年間。

高校２年に丁度進級する３月１６日の事だ。

桜がもう直ぐ咲くという中でロマンチックだと思ったその季節。

心から美香に告白したくその日を選んだ。

幼馴染に、昔から心から好きだ、という全てをぶちまける様に。

その為に美香の下駄箱の中に一生懸命に書いた俺の印字の手紙を入れた。

３０分掛けて今時のスマホじゃ無く。

なるだけ綺麗な字で一生懸命に書いた手紙だ。

屋上に来て欲しいという文章を丁寧に綴った手紙。

そしてそれを美香の下駄箱にこっそり入れて時間が経ち放課後になった。

心臓をバクバクさせながら美香が来るのを待っている俺。

今日は確かバレー部は休みだ。

そうしていると俺がやって来た約１０分後に遅れて屋上のドアがゆっくり開く。

やって来た柔和にニコッとしている美香を見つめて赤面した。

美香は俺の様子を柔和に見ながら風で揺れる髪を抑える。

そしてもう一度、俺の方に向いて笑んだ。

花奏。どうしたの？、と聞いてくる。

「屋上に来て欲しいって.....珍しいね。.....花奏、何時も帰宅する時間じゃないっけ？この時間」

「.....美香。今日はお前にその全てを伝えたい」

「え？」

心臓が本当に馬鹿みたいに高鳴る。

血液は多分だがONE PI○CEのル○ィのギアセカンド並みに血流が静脈、動脈を循環しているだろう。

俺の場合はゴム人間じゃ無いからこのままバァンと破裂するかも知れない。

そして吹き上げるかも知れない。

だけど。

それでも。

高鳴る心臓を鷲掴みにして握り潰したい気持ちを必死に抑えながら頭をその場で思いっきりに下げてからそして手を差し出して.....告白する。

大声で気持ちの気持ちを伝える。

伝えたいのはその言葉だけだ。

「貴方が好きです。俺と是非付き合って下さい！！！！！」

本当に全力を込めた告白。

そして数秒経つがそれでも美香の顔を見れないと思っていると。

困惑の慌てる声が。

そして予想外の答えが返って来た。

本当に予期せぬ答えだったに為に衝撃を受ける。

「え、あ、ご、ごめんね。.....その。.....ゴメン。本当に。ゴメン。.....付き合うのはちょっと.....」

本当にごめんね、というまさかの言葉。

俺は見開いて衝撃を受けてしまった。

それから慌てて顔を上げて聞く。

何でだ？、と思いながら聞いてしまった。

「.....うん。.....話せない。.....だけどごめんね。本当に」

参った。

期待半分自滅半分だったが。

それは非常に甘かったみたいでしかも間違いだった様だ。

俺は、そ。そうか、と少しだけ複雑な何とも言えない顔で嫌われない様に身を引く。

これ以上、粘着テープのネチャネチャしている様な感じで居ると更に.....機嫌を損ねて嫌われる恐れが有るしな。

それは嫌だからな。

このまま退く。

そしてこの日だが俺の告白はあえなく散ってしまい。

美香が、じゃあ.....部活の片付けがあるから、と居なくなった後に。

とぼとぼとそのまま俺は帰った。

困ってしまう。

明日からどう生きていこう。

残念だが仕方が無い。

俺には魅力が無かったのだろう。

本当に残念で悲しくて.....何と言うか.....うん。

猛烈に恥ずいとしか言いようが無い。

馬鹿だった。