第一話 妖精の啓示
00 プーク
プークは各地に伝承が残る、
容姿は地域によって異なる。例えばブリギット地方では草花の
家の小物が行方知れずになったり、残しておいたビスケットが
奪われてしまったものを取り戻したければ、
またプークには、運命を司る力があるとも伝えられている。
こんな話がある。プークが富豪の財布を盗み、貧者に拾わせた。善良な貧者は正直に富豪へ財布を届けるが、盗人と
こんな話がある。ある若い男女が恋に落ちた。しかし親同士が反目しあっており、結婚は許されない。生まれの不遇を嘆いた二人は、せめて女神の膝元で幸せになろうと毒を飲もうとした。そこにプークが現れ、致死の毒を仮死の薬にすり替えてしまう。なにも知らずに妖精の秘薬を飲んだ男女は息を引き取った。二人の死を知った親たちは、互いの不仲が招いた悲劇を反省し、大いに後悔した。二つの家は遺恨を水に流し、せめて恋人同士を同じ
破壊と再生、生と死、善と悪、プークの悪戯がどちらに転ぶかは、人間の心しだいなのかもしれない。
――フラン・ビィ『妖精の啓示』(幻想書院、一七二五年)
【登場人物】
ユウリス・レイン:黒髪の少年。レイン公爵の子。本編の主人公。十四歳。
カーミラ・ブレイク:赤毛の少女。ユウリスの友人。十五歳。
ミック:太っちょの少年。ユウリスの義弟アルフレドの子分。十三歳。
白狼:ウルカと旅をする魔獣。雌。
ウルカ:亜麻色の髪の女性。怪物狩りの専門家。外見は二十代の半ば。
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