第2章だよ
いや、これはね、つまり本当にあの国としてのノルウェイに行きたかったわけじゃないんだ。そもそも「ノルウェイ」じゃなくて「ノルウェー」だしね。
僕は、昭和時代のベストセラー「ノルウェイの森」を読んだのさ。そして思ったね。こんな大学生活を送ってみたいって。我ながらレトロ趣味だけど、いいよねえ、あの時代。
僕は今、19歳で、大学1年生なんだけど、なんだかつまらないんだ。風俗でバコスカヤッて、でもお金がないからそんなにできないし、もちろん彼女もできないし、友達はみんな退屈な奴だし。そんなこと言ってる僕自身も退屈な奴なんだろうけど。
で、いろいろな本を読んだのさ。19世紀のロシア小説(何とかと罰ってやつ)を読んで、金貸し婆さんを殺そうかと思っちゃったり、竹取の翁に同情してみたり。
そこで出会ったのが「ノルウェイの森」だったんだ。ちょうど僕も大学生になったばっかりだし、ハマっちゃったね。現代は便利すぎる。このくらい不自由な時代の方が、楽しいんじゃないかな。
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