要素・証明 5


ペン先は冷たく、溶けたルーズリーフは斜線の上に、何百万年と忘れられた西陽を招いていた。気付かれることなく泳ぎ出した景色。

 そして、花の色素が土に浸みる物語は、忘れられた冬の綴じ目を引き出しながら、螺旋状の太陽光と重なっている。

 カラメルの塊を見た恐竜が、確かに存在する水平線を、斜線は捉えようか、消してしまおうか、悩み続けて人に語る。

 繊維に刻まれた記憶は、重い臓器を作ることができないまま。

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