桜華





<生き別れた人を想いてよめる>


わかれ行く 道の末にぞ 匂ひゐる 桜華さくらばなをば 忘るべからず



<意訳>

わかれ……「分かれ」「別れ」


分かれ道の末に匂っている桜の華が忘れられないように、道を違えてしまい別れてしまいましたが、その別れた道の末で匂う桜華(あなた)を忘れられません。





<返歌>


現世うつしよは うち捨て忘れ 野花へと かたち変へても 華と知りけり



<意訳>

現世のことなど捨て忘れて野の花へと(なんでもない者へと)姿を変えたけれども、(あなたが忘れられないと言った)桜華なのだと知りましたよ(姿を変えてもわたしはわたしだと知りました)。









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