恋忘れ草




我が色に 姫立ち騒ぎ 恋ひらしと 是非に与へよ 恋ひ忘れ草


長き夜の 忍びあはれ 恋ひ死ぬも 移り香匂ふ 我が衣なり


千夜の月 あな口惜しや 願立つ 君が魂 露と消えよと




<意訳>


私の華美さに姫が大騒ぎしているよ。ぜひ彼女たちに恋を忘れる恋忘れ草をやらなければいけないね(別に、私は彼女たちのことなんてどうでもいいのだもの)。


長い夜の忍び泣きは悲しくて、恋焦がれて死ぬとしても、あなたの移り香はまだ私の衣に残っています。


長い長い年月、悔しくて悔しくて願をかけたわ。あなたの命が、露のように消えてしまえばいいってね。







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