異世界に転移した俺は保険会社を立ち上げて安定した生活を目指したい!〜その怪我、保険金おりますよ?〜
ガチャ空
プロローグ
この世界に来て一ヵ月が経過した。
今、俺の目の前には元の世界では信じられない光景が広がっていた。
――盗賊に積荷を奪われ、途方に暮れる商人。
――大怪我を負って、明日の生活費すらままならない冒険者。
――冒険者の父を亡くし、泣き崩れる少女。
――死んだ目で座り込む、奴隷として売られている者達。
理不尽だ。この世界は本当に理不尽に包まれている。
今の俺なら積荷を奪った盗賊を退治できるだろう。冒険者を困らせるモンスターを討伐できるだろう。泣き崩れる少女の生活費を出すこともできるだろう。売られている奴隷を……全部とは言わないが、数人は助けることもできるだろう。
しかし、それでどうなる? そんなことをしても根本的な解決にはならない。
「ご主人様……」
俺の隣に並ぶ可憐なエルフの少女が俺の服の軽くつまむ。
「大丈夫。俺が何とかしてみるよ」
俺は不安な表情を浮かべるエルフの少女に笑顔を向ける。
「はい!」
エルフの少女は信頼を超えた、信望の眼差しを向けて大きく頷く。
どうすれば彼等を救える? 俺に何が出来る?
俺の中で一つの答えはすでに導き出されていた。
これは大儲けできるチャンスじゃないのか? この世界に足りないモノ……それは――。
「よし! 保険会社を立ち上げるぞ!」
こうして、俺は異世界で保険会社を立ち上げることを決意したのであった。
―――――――――――――
【あとがき】
お読み頂きありがとうございます!
本日より毎日2話更新を致します。(全50話予定)
更新時間は12:00と21:00を予定しております。
☆で讃えてくれますと、執筆のモチベーションに繋がります。
お気に召しましたなら、宜しくお願いいたします<(_ _)>
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます