ハーレムを作る為、冒険者を目指したがどんどん周りがカオスになっていく。
ライマイ
目指せハーレム!!
僕、リーン=バクスには家族と呼べる家族が、爺ちゃんしかいなかった。両親は僕が物心つく前に死んだようで爺ちゃんが男手一つで育ててくれた。
そんな爺ちゃんの口癖が「女性を大事にしろ」だった。どれだけ女性を大事に出来るか、どれだけの女性を大切に出来るかで男の価値は決まるという。
目の前で女性が困っているなら必ず助けろ。己の命を賭してでもだ、と。
幼い頃からずっとそう言われ続け育った僕は、こう思うようになった。
「ハーレムを作ろう」と。
いや、別にこれに関して下心があるとかそういうことは無い。一切だ。だが、助けた過程で僕に好意を抱いてくれた女性と何かがあっても仕方ないとは思う。それは仕方ないことだし、好意を無碍にするのは男としてちょっとどうかとも思うし、そこに関しては真摯に対応していきたい。それが複数人居てしまってもそれは仕方ないことだと思うし、それだけの魅力が僕にはあると自負している。
うん。
思春期なんだ。
というわけで、爺ちゃんの教えと、思春期特有の性欲が相まって僕はとてつもないハーレム願望が生まれていた。
それに、近くに女性が居た方が守りやすいというのもある。これはさっき考えた。
というわけで、16歳になった僕は冒険者になるべく旅に出た。爺ちゃんはしっかりやれよ!という感じで送り出してくれた。
爺ちゃんにはハーレムが…という話はせずに女性を守る為に僕は冒険者になるよ!と言っている。さすがにハーレム作るとは言えなかった。
そんなこんなで、現在は家がある山を下り
この先には「リンカ」という町があり、そこにはギルドと呼ばれる冒険者の為の組織の支部があるのだ。
家にあった本の受け売りだが、ギルドは冒険者が冒険者として活動するのに必要不可欠な組織で、町や国、または個人からの依頼と冒険者を繋ぎ効率よく回転させたり、世界にあるまだまだ未発見なモノやコトを発見した際にそれを評価し報酬として還元したりしてくれる重要な組織だという。
なので、ギルドに所属しないと冒険者を名乗れないし依頼も受けれない。登録は必須だ。
まあ、また細かい説明はギルドでしてくれるだろう。それに、ギルドに行けば同じ冒険者仲間の女の子と…むふふ。
僕はまだ見ぬ美人冒険者へと思いをはせてにやにやしながら森の中を進む。
そういえば、この
実は僕は山から出たことがほとんど無く、リンカの森にも数えるぐらい、しかも浅い所までしか入ったことが無い。
そして山と町は真反対側なので人と出会ったことはないのだ。山側の森にはモンスターも住み着いているので普通の人間が入るには危険な場所だ。まあ、居るモンスターはそこまで危険なモンスターでもなく装備を整えれば冒険者になりたての人間でも何とか倒せるだろう。
単純に僕の感覚が鈍いだけかもしれないが、正直この森から僕は神聖な空気を感じた事が一切ない。
まあ、女性と一緒にこの森に来て「凄く癒されるよね!」と言われたら首がもげるぐらいに肯定するだろうけど。
しいていえば、静謐の名に相応しく、周りがシンっと静まり返っていることが多いのでこの雰囲気の中でボーっとしていればそれなりに癒されるのかもしれない。
新鮮な、そして神聖らしい森の空気を深呼吸で肺いっぱいに取り込んでいると
「きゃあああぁぁぁ!!!」
と、静けさを切り裂くような女性の叫び声が聞こえて来た。
と同時に僕はその叫び声へと走り出していた!
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