デスゲームの復讐女王

冴えないkitoki

プロローグ

廊下に張り出された「魔導士実力試験」と書かれた紙を見て、如月 葵は内心ため息をついた。

この表は右から高い順で並んでいく。

いつもの事だが、右端の方に自分の名前は無く、一番端に自分の名前を見つけた。

(はぁ、またビリか・・・)

周りは自分の名前を見つけワイワイ騒いでいるが、葵にとっては憂鬱以外の何物でもない。

勿論、恥ずかしいのもさることながら、一番嫌なのは—

「如月また、ビリなんだって」

「男を誘惑してまで学校に居て恥ずかしくないの?」

この陰口だ。

しかも本人に聞こえるかどうかの微妙な声の大きさで言うため、どうすることもできない。

だからといって、面と向かって言われてもコミュ障の葵には何も出来ないのだが。

(別に私は男子に何もしたつもりは無いのに、というか普通にモテないし)

基本的に陰口を言うのは派手でギャル系の女子たちだ。

平均から見て葵はかなり容姿がいい。

白銀の美しいショートヘアーに、可愛らしい目。

コミュ障なだけに、男にも全くモテないのだがこの容姿を羨み、ギャル系の女子たちは悪口を叩く。

「ねえ、アンタたちまた陰口言ってんの?」

その時、廊下に大きい声が響いた。

行き交う人達の視線が一斉に集まる。

ボーイッシュな黒髪ショートの女子が3人組のギャル系女子を睨みつける。

「アンタには関係ないでしょ、それにあの子が弱いのは事実じゃない」

負けじとリーダー格の女子が反論をする。

「ふ~ん、トップ10にも入れてないアンタが言う?」

わざとらしく、ボーイッシュな少女が張り紙を見る。

そこには、「5位浅野 ダイヤ」という少女の名前があった。

男女合わせて300人だから相当高い。

「行こっ、雅。コイツめんどくさいよ」

コソコソ耳打ちし、雅と呼ばれた女子を筆頭に、その場から離れていった。

「葵、大丈夫?」

ダイヤが、葵の肩を組む。

「うん、ごめんね。わざわざ」

葵が心底申し訳なさそうな顔になる。

「何言ってんの?友達として当然でしょ」

葵は、ダイヤの簡単にこういうことを言えるところを尊敬していた。

「私、魔法の才能なさすぎるよね」

正直、迷惑をかけてばっかりでネガティブになってしまう。

「そんなこと無いよ!この超エリート校に入れただけでも才能はあるんだから。諦めずに頑張っていこうよ」

そう、この学校は魔導士育成高校としては日本で一番の面積と実績を誇る。

何故、葵が入れたかは本当に謎だが。

「ねえ、葵。昼食食べに行こうよ」

「あ、うん」

人ごみを抜け、食堂へ向かおうとしたとき突然、校内放送のスピーカーからノイズ音が聞こえた。

大半の生徒は驚き、体を震わせた。

「君たちには今からデスゲームをしてもらいます」

突然、機械音声が校内に響いた。



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デスゲームの復讐女王 冴えないkitoki @kai_tunndere

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