第93話 ソファーで横になる可愛らしい子猫
やはりかーー!!
玄関にこれまた立派な盆栽が置かれている。
盆栽を見て立派だな~と思ったのはこれが始めてだ。
格式高さを既に玄関から物語っている。
「そういえば、
早苗さんはどちらに?」
すると美悠が
シーッと人差し指を口元に立てて
静寂を促した。
太郎は口にチャックをして
美悠の後をついていく。
「いい、タロちゃん。
ここがリビングになるんだけど
静かにね。」
「はい」
リビングに一体何があるというのだろう?
リビングに入ると
そこは高級な「和」の世界が広がっているだけでなく、
ソファーなど「洋」の世界も適材適所に溶け込んでいた。
太郎は圧倒されながらも
あることに気が付く。
「あれ?」
「タロちゃんも気が付いたみたいね」
「もしかして」
成人男性が横向きで三人は寝られそうな
スペースのあるソファーの中央で
まるで子猫のように包まり
寝ている八千草咲苗がいた。
「タロちゃんが来るまでは起きてたんだけどね。
許してあげてくれる?」
「許すも何も。俺も迷いながら遅れて来てしまいましたから。
許しをこうのは俺の方です。それに、」
「それに?」
「あ、いえ、八千草さん、気持ちよさそうに寝るんだな~って」
「そうね、早苗ちゃん可愛いわよね♪」
「はい!」
「・・・・」
「あ、いや、その変な意味じゃないですよ。」
「分かってるわ。変な意味じゃないのよね♪」
完全に美悠姉さんの手のひらで転がされている。
きっと俺が孝也だったら
速攻で理性を失って
この高性能カメラで一枚寝ているところを獲らせていただいても?
とか言いそうだな。
八千草さんのバディが孝也でなかったことが
八千草さんの身はもちろん、
孝也の将軍としてのメンツを保つ上でも救いだったと
感じざるをえない太郎だった。
咲苗の寝顔を見て、リラックスできた太郎に
「タロちゃんも家に来てちょっと疲れちゃったでしょ?」
「あ、いえ、その、俺は平民ですから緊張しちゃって。」
「平民?タロちゃんが?」
しまった。
俺は一体何を言っているんだ。
平民とか普通に意味分からないだろう!!
ただ、言ってしまったからには仕方ない。
美悠姉さんもかなり興味津々といった面持ちだ。
「実は・・・・」
太郎は興味津々の美悠に
孝也の発案で一年の六人の中で役職があることを説明した。
めっちゃ恥ずかしい・・・・
この説明は俺にとっては何の特もないからな!!
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