第89話 孝也と駿の先生に聞いてみる作戦

バディが組まれてから

数分後に

美名城たちが戻ってきた。


太郎たちにとって初めての体育祭の日は、

楽しい祝勝会&お疲れ様会とともに幕を閉じた。







そして




新たなる章の青春ページが




帰ってくる彼ら・彼女らによって




瞬く間にめくられることとなる。









体育祭翌日

太郎たちはバディでクラスの生徒に聞いて回った。

何かしらの噂など聞いていないかと。


そして第一回海馬組会議が行われるわけだが、

どのバディも何一つ手がかりをつかめずにいた。



「ここまで何一つかすりもしないとはな!」



孝也の焦りに

菊池は


「まぁ、無理もないわ。

だってみんな私たちと同じ

タイミングでこの学校に来て、彼らの存在を見たこともないんだから。」


翔が

「俺たちの考えすぎなのかもしれない」


弱気な発言ではあるが、

翔の一言に対して誰も言い返すだけの手がかりがない状態だった。


すると八千草が

「もう少し、情報収集続けてみよう。

今回はまだファーストコンタクトで話す気になれない

生徒とかもいたかもしれないし。頑張ろう!」


まだ諦めるのは早い、弱気になる必要はないという

八千草なりの励ましによってバディでの調査を続行することとした。



孝也と駿は

口が軽そうな先生に絞ってそれとなく話を聞いてみるこにした。


それじゃあ、まずは

世界史の豊臣先生に聞いてみよう!!



「あ、豊臣先生!」


「おう、なんじゃ?」


「ちょっと恥ずかしいんですけど、

豊臣先生の授業すごく分かりやすくて、

世界史って知っていくとほんとに面白いんですね。」


「はっはっは、そうだろう!

何も恥じることはない。世界は果てしなく広いのだから♪」


「はい、とっても広いです!是非授業時間以外でも

豊臣先生の世界史の勉強を聞いてみたいです。」


「おうおう、そうかそうか。

そんなにわしの世界史の授業は

分かりやすくて面白いか!?」


「はい、とっても♪

そこで世界史と一緒に

学校の世界についても色々教えてください。」


「学校の世界?」


「はい、まだ、

この学校も一年目で無知なことが多いんです。

だからこの学校の豊臣先生のような偉大な先生や

偉人になりうる生徒たちを

知っておきたいんです。

もちろん失礼がないようにするためです!」


「ほうほう。世界史から学校の偉人探しとは

学びの向上心が最近の若者にしては珍しく高いのう。

いいだろう、何なりと聞きたまえ!教えてしんぜよ!!」


「ありがとうございます。

では、まずは海満の偉人の一人目として

豊臣先生のことから・・・」



駿の強かさを目の当たりにする孝也は

味方だからこそ心強く感じるとともに、

何があろうと敵に回すべきではないと

潜在意識のサイレンが体内に鳴り響いていた。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る