第80話 サングラス効果が呼び寄せた宇宙

いや~、事務のおばちゃんの

あ、いやいやいや、坂本さんのおかげで

保健室で休まなくても堂々とテント下で休めるなんて

ちょーサイコウだーーー!!


美名城先輩たちには悪いけど

甘えられるのは一年目の特権。


みんなよく待てるよな・・・・


駿たちは俺を探したりはしてないよな・・・


探すわけないか、俺は空気系だんってあれ?


うん??



駿たち・・・こっち見てないか?



なんだか目が合うような・・・

気付かれた?!


まさか・・・な・・・

サングラスをかけているんだ。

向こうからは目が合っていることなど分かるまい。



・・・・



なんか眠くなってきたな・・・

サングラスがもたらす暗さと

この夕方独特のそよ風による心地よさが眠気をそそる。


やばい、ここで寝たら

約束を破ることになる。



「いいかね、私に変装するからには

変なマネはしないようにね。

決して寝たりなんかするんじゃないよ。」



「も、もちろんです」




くそー、あんな約束するんじゃなかった。


待てよ!!

サングラスつけてるってことは

俺が目を開けているか分からない!

つまり寝ているかも分からないんじゃないか?


ちょっとだけ、

ちょっとだけ目を休ませるために、

ほん・・の・・

ちょ・・・・と・・

だけ・・・・

だか・・・

・・・・

ら・・・・

・・・・・・・・・・・・・



あぁ~


気持ちいい~~~


ちょっと目をつむって

休んでいるだけなのに


まるで、

誰かにマッサージをしてもらって

今日一日の疲れがほぐされていくような~

未だ味わったことのない気分だ~~♪



ここは宇宙なのか~~?



「地球ですよ、坂本さん♪」


「ああ、地球なのか~~

えぇ?」


坂本さん!

ではなく

太郎が目を覚ます。



「あらま、どなた?」


「何言ってるんですか坂本さん、

夏帆です。美名城夏帆です。」


ななななんと、

みみみ美名城先輩~~!!??


「ああ、美名城さんね。」


「坂本さん疲れてます?

いつも夏帆ちゃんって可愛がってくれているのに。」


かかか夏帆ちゃん!!??


そんなに親しい仲なのか?

お、俺に・・・夏帆ちゃんと

言えと・・・・

平常心平常心!!

俺は太郎じゃない、坂本のばあちゃんだ!


「あら、やだ。夏帆ちゃんじゃない。

さっきまで近くで、あ、いや、

大きな音を聞いていたからか疲れててね。」


「青組のパフォーマンス観ててくれたんですか?」


「もちろんよ。

夏帆ちゃん、とてもかっこよかったわよ!!」


「ありがとうございます!!

坂本さんに褒められるなんてすごく嬉しいです♪」




このやりとり

いつまで続くの~~

誰か助けて~~!!!!


心の中で叫び続ける太郎だった





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