第3話 頂点捕食者

私はふーっと深い深呼吸をしてVRモニターを被り直す。


ポーズを解除しますか?


YES


暗い画面が明るくなり辺りを見回した。

まるでエヴァンゲリオンのゲンドウの様な人が中央に一人、周りはまるでエヴァンゲリオンのネルフとナチスドイツとテンプル騎士団のアジトの様な異様な雰囲気だ。


ゲンドウの様な人は多分偉い人だ。

手もゲンドウの様に組んでいる。


私のキャラは両脇にデカくてゴツい奴にかかえられているというか、腕をロックされている。

私はこのヤバさ満開の展開から逃げ出そうと、必殺PS5のリセットボタンに手を伸ばした。


『まあ、待て!ここでリセットしてしまったら、お前は二度とこのチャンスを知る事が出来ないぞ!』ゲンドウ風の男が立ち上がる。


『チャンス?!』


『お前が現実で満足しているならチャンスでも何でもないかも知れん。だが、くそったれな人生を歩んでお先真っ暗と思っているなら恐らく最後のチャンスだ』


私は混乱した。

これは本当にゲームなのだろうか?

ラノベお得意の異世界に行っちゃいました系のサインなのだろうか?

それともあっちの世界に行くイコール精神的障害を負うという事なのだろうか?


『Spezialkräfte(スペッツァールカラフテ)になる事で一体何を得られるのか教えて下さい。』


『圧倒的な力、それに伴う圧倒的な優越感をものにできるだろう。故に恐怖さえも無い。』


『代償は?』


『お前に代償などと呼べる価値のあるものなどあるのか?いや、お前だけじゃなくほとんどのカス共に言える事だが』


返す言葉が無い。

私に価値なんて全くない。

むしろ地球資源をただ無駄に消費しているクソだ。


私は恐る恐る問いかける。

『Spezialkräfte(スペッツァールカラフテ)に入る事で価値ある人間になれるんですか?』


『頂点捕食者はいちいちそんな事を考え無い』


『頂点捕食者、、、、』


『時間だ。答えを聞こう』


『私は、、、』

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