第1章:恋心

1-1 同性を好きになるということ

高校1年生の時、初めて男性を好きになった。


放課後、何気なく校舎から見えたサッカー部の練習風景。そこでひと際笑顔で楽しそうにボールを蹴る人がいた。その人を見た時、なぜか目が離せなくなり、胸が高鳴った。


しばらくして彼は、サッカー部のエースだと知り、女子からも人気みたいだった。


廊下で彼とすれ違った時、また胸が高鳴った。


あぁ、きっと恋をしたんだと思った。


自分でもなぜ、男性を好きになったのかわからない。

今まで、男性を恋愛対象として見たことがなく、突然、この感情はやってきた。初めは、何かの間違いだと思ったけれど、彼を見るたびに、胸が苦しくなった。


しかし、この恋は決して叶わない。


だから、自分の心に蓋をして、何も考えず、毎日を歩もう。


そして、ただ時は過ぎ去った。




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