第二百四話 ソリテールの奇跡
その少女の声は
ビクニはその声が誰であるのかに、すぐに気が付いた。
ライト王国の
木の
宝石となったソリテールは、ソニックが
女神が
今まで話すことのなかったソリテールが声を
「ビクニお姉さん……。ソニックお兄さんもググも
だが、ビクニからの
それは、彼女にソリテールの声が聞こえていないからではない。
ソリテールはビクニの意識に
ビクニはソリテールに声を聞きながら考えていた。
ライト王国から
自分は強くなったと思っていた。
たとえそれがソニックのよって与えられた
だけど
いい気になってワルキューレに
彼女には
そんな
そう――。
自分は強くなってなどいなかった。
今でも元の世界にいた、部屋に引きこもっているただの中学生だった。
その勘違いした
自分がリンリを
自分さえ、自分さえいなければ――。
ビクニはそう思いながら、さらに
そんなビクニにソリテールは言葉を続ける。
「お姉さん……あたしはずっと見てたよ」
ソリテールは指輪となってから、ずっと彼女たちと共に旅を見てきた。
これまでの旅で彼女がしてきたことを語り始める。
「お姉さんがいなかったら……きっとみんなダメになってたと思うの……」
もしビクニがいなかったら、リムもルバートも
死んでしまったヴァイブレだって吸血鬼族の騎士としての
ソリテールはあのときの――村で出会った頃と同じ
「ソリテール……あなたを
「そうだよビクニお姉さん。あたしもググもソニックのお兄さんも……。みんな、みんなみんなお姉さんのことを待ってるよ」
指輪から輝いていた光が、眠っているビクニの身体を
その
ソリテールの言っていることが
「だからお
ソリテールの声と共にビクニの身体を覆っていた光は消え、彼女は立ち上がった。
「ごめんね、ググ……。いっぱい心配かけて……。でも、もう大丈夫、大丈夫だからね」
ビクニは立ち上がると、飛びかかってきたググの体を
ググはあまりの
「さあ行こう! みんなのところへ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます