第百六十九話 無謀な案
これから女神の使いである
こちらも全員で
レヴィがまずそう話を始めると――。
もうお
早くここからも逃げなければと、
彼女はその声に負けず、言葉を続けた。
大丈夫だ。
この場にいる者たちが力を合わせれば
だから、全員で立ち上がろうと。
力強く言ったステージにいるレヴィに、一人の男が声をあげた。
リムの父親――
「
それからエンは
自分は里長として、この里の
勝てぬ
ここは
――と、エンはレヴィの
「ストロンゲスト·ロード里長エン殿。勝ち目がないなどということない。
レヴィはエンの質問に答えるとソニックから聞いた話を、
女神軍が進行する前に、
おそらくリンリが女神に
そして、ビクニとリンリ二人がこちらに戻れば、負けるはずがないと。
「リンリとビクニは今ライト王国にある
いや、まるで自分の
だが彼女の
暗黒騎士ビクニと聖騎士リンリは
知っているぞ、そいつらはこの世界に女神の
そんないつ敵に回るかわからない
ビクニとリンリ二人の名を出したのがまずかったのか。
その声はとどまることを知らず――。
広場全体――いや、この武道家の里ストロンゲスト·ロードを
そして、さらに女神軍とは
お前らがこっちの大陸に来たせいでこうなったんだろ!?
そうだ! 亜人のほとんどが
女神の
暴言の雨に打たれながらレヴィは思う。
やはり自分などの言葉ではダメだった。
先ほどエンが言った通りだ。
何の作戦もなく、ただ力を合わせて戦おうと呼びかけたくらいで、一体誰を動かせるというんだ。
(私は……私は……)
群衆へと向けていた顔を下げそうになるレヴィ。
だがそのとき、彼女がふと後ろを見ると――。
そこには顔を
彼はもう
しかし、リョウタがこの場を抑えられるとは思えない。
むしろ彼が出てくることによって、群衆は
リョウタはビクニたちと同じく、女神の力によってこの世界に召喚された者なのだ。
そのことをもし口にしたりすれば、今の
そう考えたレヴィは、手を動かしてリョウタが来ることを止めた。
それは彼を心から心配しているからだった。
そんな彼女の表情を見たリョウタは、当然前に出ず、その足を止める。
問題ない。
いつものことじゃないか。
自分が
それを、今さら――。
それに昔とはもう違う。
レヴィはそう考えながら
彼女の
二人で旅を始めた
とある街でリムにお
もう会えないと思っていた姉――ラヴィに
これまでのことを振り返ると、自分が
それは、今までも、これからもそうだ。
そう――。
リョウタとの出会いがあったからこそ――。
レヴィは
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